04/20/05
多様な夫婦?10(内縁の種類6と遺族厚生年金給付5)非合法内縁2
そこで、具体的な反倫理性の検討に入っていきます。
「原告の出生地およびその後生活した地域では、いずれも農業が盛んな地域であること、
婚姻習俗の特性として、親が婚姻の決定権を持っており、本人自身は誰と結婚するかについて決定権を持つことが殆ど不可能であること、
いとこ同士の婚姻を筆頭として内婚(親族間の結婚)的な傾向が強いことが挙げられるほか、このような婚姻慣行・婚姻意識を有する地域においては
非常に近い姻戚関係での結婚がむしろ受け入れられる土壌がある・・・・・。」
どうやってこの事実認定をしたのか気になりますが、それはさて置き、こうした地域の倫理観を認定したうえで、
本件は
「原告とAとは、叔父と姪に・・・その内縁関係は民法734条に違反する近親婚関係の中では最も親等が離れた関係にあるものであること、
両者は、子供を抱えて苦労している(姪)に同情した原告の祖父の決定と親族の賛同に基づき内縁関係に入ったものであって、
その動機や態様の点において特に不当な点は見当たらないこと、
両者の関係は42年にわたる安定したものである上、職場や地域社会においても抵抗感なく受け入れられ、むしろ公認されていたものとさえ言える・・・・。
これらの点に照らしてみれば、近親婚にあたるとの一事をもって、原告の遺族年金支給権を否定しなければ、公益性に反すると言うことは到底困難であり、むしろ法的な婚姻関係に等しい実質を持ったもであ・・・・・・る」
以上のように東京地裁は、独自に内婚の多い地域慣行などを認定した上で、個別事情からも倫理上の問題もない(弱い?)ということで、受給権を認めました。
この事件は、控訴中ですから最終結論はまだ出ていませんが、倫理違反の程度が弱いことと、実際の夫婦と同視出来るような生活関係があれば、話はまた別と言うのが、終局的な判断になるべきでしょうか?
関連ページリンク
稲垣法律事務所コラム内:役所に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:公共、福祉に関するコラム
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC
