04/19/05

多様な夫婦?8内縁の種類5(近親婚違反)民法137

そこで、これから紹介する事件ですが、
おじと姪が事実上の夫婦関係にあったところ、おじが死亡したので、内縁関係にあった姪が、遺族厚生年金の給付請求をしました。
ところで民法では、誰とでも婚姻できるのでははなく、一定の年齢か、近親間では婚姻が禁止されているのです。
民法の近親婚禁止規定は、18日の1にまとめて紹介しましたが、もう1度関係する条文だけ紹介しておきましょう。

民法
第734条 直系血族又は3親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。 
但し、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない。
2 第817条の9の規定によつて親族関係が終了した後も、前項と同様とする。

当然、叔父姪の関係は3親等で近親婚違反ですから、届出はしても受理されませんから無届です。
そこで生計を同じくしていた内縁関係にあるとしても、法律違反の内縁の場合に遺族年金を支給すべきかどうかが問題になったのです。
法律のどこが問題かというと、厚生年金保険法第3条2号の
「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むものとする。」
の文言に近親婚禁止違反の場合でも該当するかということです。
そんなことは、どこにも書いていないと思うでしょうが、眼光紙背に徹し、行間を読むのがプロと言うものかもしれません。
以下、広島修道大学教授竹中康之氏による下記の東京地裁(H16・6・22)の叔父姪関係の判例に対する、判例評論554号4記載に基づき紹介しましょう。
・・・・以下、特に断らない限り、判例に関するこのコラムの事実関係や引用文は、同氏の論文を下敷きにしたものです。
ただし、意見や感想にわたる部分は、いつものように、すべて私の独断偏見ですのでそのつもりでお読みください。
その事件の始まりは、内縁関係にあったおじの死亡により、姪が遺族年金受給申請をしたところ、社会保険庁は、
「近親婚禁止にあたり、法3条の内縁の妻として認められない」
という理由で不支給処分をしました。
条文には「非合法な場合を除く」とも書いていないのですが、流石、役人です。
明文に書いてなくとも、国家秩序に反した者は、除かれるのは当然だというのでしょう。
私の言うところの「お上の決めた秩序に違反しているから駄目よ」という最高裁判例の原理の適用でしょう。
これに対し、社会保険審査官に不服申し立てしたところ、審査請求が棄却され、さらに再審査請求をしたところ、これも棄却されたので、本訴提起になったものです。



関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

稲垣法律事務所コラム内:社会、サービスに関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:役所に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:公共、福祉に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:民法に関するコラム


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資