04/19/05

多様な夫婦?7「内縁の種類4」(非合法内縁と合法内縁?)

ところが、この内縁にも2種類(もっと厳密には多種多様な種類)があるという解釈があって、事態がややこしくなっているのです。
社会保険庁的発想によれば、世間で言う内縁の妻にも合法的な内縁と非合法な内縁があって、合法的な内縁しか受給権がないということになるらしいのです。
非合法・法律で禁止に違反している夫婦関係・内縁まで保護するのでは、国家としてシメシがつかないというところでしょう。
社会保険庁の考えでは、何ら法的障害がなくて、届出をする気になれば直ぐできるのに、着いたり離れたり、届け出もしないだらしない遊び人などは、保護されて受給権がありそうです。
ま、こういう人は、末端労働者や水商売関係・暴力団周辺者などが多くて、厚生年金未加入者が多いでしょうから、結局支払わなくて済む人だけを、支払い対象にするということになるのかもしれません。
(何しろ財源不足ですからね。)
他方真面目に届けたいのだけれども、古来の習俗と民法が食い違ってしまった人を含めて、法律に抵触するために制度上届けられなかった人には、保険支給しないという結果になるのです。
(こういう人は、まじめですから厚生年金加入率が高いのです。)
非合法内縁をさらに分ければ、古来の習俗に合致しているが民法の基準に合わないために届けられない内縁と(18日に紹介した与謝野鉄幹の例です)、17日のコラムで紹介した現秩序に挑戦するために届けない人との2種類があることになるのでしょうか?
この種の人もさらに分類すれば、17日の例のように夫婦の実態すらないのから、実態があるが届出だけはしないという確信者まで、いろいろなバリエーションに分かれるのでしょう。
ただし、制度に対する挑戦者かどうかは、社会保険庁では分りませんから、夫婦の実態さえあれば、この種の人は黙って申請すれば支給してくれるでしょう。
非合法内縁にもいろいろあって、近親婚違反内縁については国家の面子だけがその基準でしょうが、重婚的内縁に関しては、18日の1のコラムで少し紹介したように、法律上の妻の保護との利益衡量が必要です。
しかし、これについては、後に紹介しますが、この10年以上にわたる判例の集積で勝負が着いているのですから、社会保険庁が力む必要がないのです。
こうしてみると、現実に即した妥当な解決のために社会保険庁が頑張っているのではなく、法律違反者には(4月17日・・・・2「多様な婚姻制度8(多様な夫婦?2)(高裁と最高裁判所の判断)」で紹介した最高裁同様に、)お上にたて突く奴には保険給付しないという形式論でしかないようです。
或いは、行政庁としては
  「判断権がないので、さしあたり形式論に終始しておいて、支給拒否すれば、不満な人は、裁判するだろう。」
「そこで決めてもらうのが、法治国家の理想である」
という姿勢かもしれません。
支給してしまうと誰も訴えませんので、裁判所の判断がないまま行政庁の一存で進んでしまうのをおそれているのでしょうか?
そこで事例ごとに裁判になっていき、事例ごとの裁判例が集積していくのを待っているのかもしれません。
・・・謙抑的姿勢で、立派といえば立派ですが、単に「お上にたて突く奴は許せない」という意識と、形式処理したい本能の美化だけかもしれません。



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