04/17/05
多様な婚姻制度7(多様な夫婦?1)(婚姻届をしない特別な関係1)
先日事務所で、判例時報(平成17年3月21日号)を読んでいたら、多様な婚姻制度シリーズの棹尾を飾るのにふさわしい判例(最高裁第1小法廷平成16年11・18)があったので、紹介しておきましょう。
この事件は、テレビの記者会見を開くなど大々的なニュースになったとも言われていますので、ご存知の方が多いと思いますが、大方以下のような事件です。
飛んでいる夫婦というか、新しい考えの下に正式な婚姻届を拒否して、「特別な関係」になった男女が、16年も特別な関係を続けていたところ、男性に恋人が出来ました。
そこで男性の方が、その恋人と婚姻届出を出してしまい、従来の特別な男女関係を終了したので、女性の方から慰藉料請求の裁判が提起された事件です。
私の略述では正確でありませんので、事実関係については上記判例時報の解説を、ほぼそのまま引用しましょう。「XとYは昭和60年11月に知り合い、その一ヵ月後に婚約したが、昭和61年3月には婚約を解消した。
婚約解消にあたっては特別な関係になると宣言して、近くに住んでいたものの同棲まではせず、以来平成13年まで16年間に亘って特別な交際を続け、子供の生まれるたびに婚姻届を出しては、すぐ離婚するという関係を繰り返していた」
と言うのです。
出産時の婚姻届の提出と即時の離婚届の繰り返しは、親の新思想はそれとして、子供に迷惑をかけないように嫡出子としておくための届出でしょう。・・・・私の感想です。
嫡出子と非嫡出子の関係は、07/19/03「相続分1 (民法78)』その他で書いて来ましたが、2〜3日前の新聞で東京地裁で、日本人男性の認知した外国人女性の出産した子(非嫡出子)の国籍を認めない国籍法は、憲法違反との判決が出たとの報道がありました。
いずれにせよ、非嫡出子になると何かと不利な立場になることは確かですので、これの回避でしょう。
二人は近くに住んではいたものの、食費、生活費は全く別で、時々一緒に旅行したり、相手の家に泊まったりはしても、そこで相手の作ったものを食べたりしないという徹底した「特別な関係」(の夫婦?・・これも私の挿入です)でした。
そのうえ、「子供はいらない」という女性の希望にかかわらず、男性の希望で(仕方なしに?)生む代わりに、夫の母が養育してきました。
ただし、子供の分娩等の費用とその間の生活費相当分でしょうが、出産にあたってはかなりの金を男の方が払ったり、相互に仕事の手伝いをするときは、その都度細かく契約書を交わして金銭解決をしていたとも認定されてます。
全て契約で処理してきたようです。
こうして法的な婚姻関係になるのを正面から拒否してきたのですが、16年経過時点で男性に恋人が出来たので、その女性と婚姻届を出してしまい、今後はこうした特別な関係を終了したいと宣言したのが問題の発端です。
女性のほうは、関係終了に対する慰藉料請求の訴えを提起しましたが、一審の東京地裁は
「XとYは法律上の夫婦同様の関係にあるとまでは言うことが出来ない上に、終生相互に協力し、扶助する義務があり、一方当事者の意思で解消することができない永続的な関係にあると解することができず、その関係の継続をYに強制できるものではなく、(・・・ひいては)・・Xの精神的苦痛に対する法的な賠償をYに求めることはできない」
として棄却しました。(平成14・12・25)
関連ページリンク
稲垣法律事務所コラム内:結婚、婚姻に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:恋愛に関するコラム
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC
