04/15/05

夫婦別姓26(カード社会1)

住民基本台帳法は、不当な目的の閲覧や交付請求を出来なくしていて、本来の公示制度を大きく後退させているのですが、本来の目的である国民の統制管理台帳としての目的は、着実に進化しているのです。
不動産の公示制度については、不動産=家の財産と言う時代には、家父長制度の結果男性のみが所有者になる率が多く、結果として女性に関係のない制度でした。
しかし、戦後の相続法制の変更で、男子だけでなく女性も対等な相続人となりましたので時間の経過と共に女性名義の不動産が増えてくるようになったのです。
こうして女性が不動産の相続人として登記されるようになってから、およそ60年近くも経過しているのです。
相続以外の自宅の新規取得でも、共働き夫婦の増加によって、共有登記している事例が多くなってきました。
これに加えて、夫婦共働き社会の到来により、女性が相続以外でも固有の資産を保有する場合が増えてきました。
コンピューターの発達により、カード取引、インターネット取引が発達してきましたが、その前提として女性が固有の経済活動をするようになったことが大きいでしょう。
今では法人以外では、家と言う団体が信用の基礎ではなくなって、個々人の信用だけが要素となっていて、夫が破産しても、奥さんや娘さんのカード取引はそのまま続けられるのが、現代社会です。
ちなみにカード社会やメールの到来に対し、親近感を示したのは女性の方が早かったと思いますが、(例外はありますが大雑把な観察です)明治以降対外的に自己の名を消し去られていた女性が、自己表示したいという潜在的な願望が、こうした商品にいち早く反応した面もあるでしょう。
現在のカード社会・コンピューターアドレスの時代では、夫婦別氏でも、取引上何ら困ることはありません。
このように考えると、明治初期とは、社会基盤が変わったのですから、江戸時代までのように夫婦別氏で何故悪いの?という基本に遡った議論は、女性の人権家ばかりではなく、誰でも疑問に思う時代がきているのです。
歴史が繰返すようですが、これからの別氏は、応仁の乱以降から幕末までのような一族内の識別表示ではなく、対外的な識別機能として生まれ変わっているのです。
いつも言うことですが、鎖国制度は、金銀がなくなって為替管理のために出来たに過ぎないのに、今から見れば滑稽なことですが、幕末に日本古来の祖法のごとく誤解して攘夷論が沸騰したことがあります。
同じく、夫婦別氏問題は、明治維新当時、古来からの上級階級の日本の習俗に反してはいましたが、社会の大多数を占めていた中堅農民・中小地主の実態には合っていたのです。
当時の政権支持基盤にあわせて夫婦の氏を統一したに過ぎないのですが、その前提となった中堅農家が社会の主流から退いて久しいのです。
まして、古来の習俗というほどのものでもないのですから、タブーにしないでもっと突っ込んだ議論が必要でしょう。



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