04/09/05

夫婦別姓22(夫婦同氏の機能変化1と住宅ローン)

04/02/05「夫婦別姓21(子沢山と家父長制の矛盾1)厄介者」の以来、女性の地位低下を連載してきましたが、再び別姓論にもどります。
これまで明治初期から現在までの家庭における女性の実質的な地位低下を見てきましたが、このように地位低下が進んだ状態下で、夫婦同氏のままにしておくと女性は割を食う関係になっていたのです。
夫婦の財産は夫名義であるというのは、もとは夫の家に嫁いだからもともと夫の物だったから、夫名義であったに過ぎなかったのですが、長年の間に結果として財産は全て夫名義で取得するものと言う観念が定着してしまったのです。
家という団体を観念すれば、団体のために集団員が働いて資産を増やすばあい、団体名義・・家父長制の場合、その代表者は夫になりますので夫名取得することは当然ですから、夫婦で一生懸命働いて得た財産まで、全て夫の名義にする習慣になってしまったのです。
こうして戦後家電製品・車などある程度高額品を買うようになっても、全て夫名義で購入する慣習に繋がっていくのです。
これは、安定収入のある夫名義でしかローンを組めない住宅ローンその他の月賦制度の発達が、決定的な役割を果たしたと思われます。
夫婦対等又は対等に準ずる収入のあるエリート・準エリート夫婦の場合は、双方の収入でローンを組みますので共有登記になり易いのですが、今でも圧倒的多数の妻は、補助的なパート等の収入しかないのが普通です。
ローンを払うための生活設計には、妻のパート収入を当てにしているのに、旧来の慣習と相俟って、自然と夫名義で借金をすることになり、ひいては所有名義も夫の単独名義になってしまうのです。
これを実質にあわせるために、離婚や相続法制で修正が必要になっているのです。
配偶者の相続分は2分の1になり、相続税も2分の1まで非課税扱いであることは、11/03/03「相続分8(民法110)(相続税法1)」以下で連載しました。
離婚に関しても、財産分与と言う名目で再清算する仕組みが必要になったのですが、02/24/05「離婚の実態3(夫婦の家は妻のもの?)財産分与の欺瞞性?2」のコラムで書いたように、そもそも、夫名義で取得し、妻名義にしないことを前提にする考え方のほうが不自然なのです。
離婚や死亡と言う極限の場合にしか、実態にあわせられない法制度っておかしいと思いませんか!
年金問題もそうですが、夫の死亡後だけ遺族年金をもらえるのではなく、現役の夫婦のときから夫の厚生年金は夫婦半々、あるいは一定割合でもらえるようにした方が合理的です。
ただし、05/18/03「遺留分とは 7立法論3(民法55)」以下と、07/12/03「遺留分 9(老人の再婚6)(民法57)」のコラムで書いたように、配偶者の年金支給分も夫婦であった期間など、例えば、5年刻みなどで、支給割合を区分する必要があるのは当然です。 
今は離婚したり死亡したときだけ計算しなおす仕組みですが、仲良く、或いは生きているうちに、実際に合わせた法制度にした方がいいでしょう。



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