04/05/05

都市労働者の増加家父長制矛盾4(厄介社会化3)女性の地位低下

明治初期の農家中心社会から、都市労働者、ホワイトカラー、軍人などの給与所得者の比率が増加してくると、何故家父長制家制度と矛盾してくるか疑問の方がいるでしょう。
親の相続を独り占めと言うと、なぜか歴史問題になるとつい大きなお屋敷や財産家を想像したくなるものですが、今、大問題になっている西武グループのオーナーである堤家のような大財産家は、何万人に一人もいないでしょう。
都市労働者人口の大多数は、都会の家一軒を残せるかどうかと言うところで、うっかりしたら、家1軒でさえ持てない人が多いのが現実でしょう。
ま、仮に長男が5〜60坪の家屋敷を相続できたからといって、農家のように相続財産・農地のように収入に結びつかないのですから、それで4人も5人もいる弟妹を一生面倒見てくれと言われても困るわけです。
老母の世話をするくらいが、関の山でしょう。(これでさえ嫌だからとみんなで押し付けあう時代です。)
政治制度の妥当性は大多数に妥当するかどうかであって、100万人に一人だけ妥当するようなものではいけないのです。
そもそも、こうした家では長男だからといって給与が多いわけではないのですから、弟妹の面倒を見ることが不可能だったのです。
江戸期には家禄は相続でしたが、明治以降では官吏その他の給与所得者は(生まれが少し影響したでしょうが・・・・)親の相続によって得たというよりは、個人の努力・能力によるのですから、「長男だから弟の世話をしなければならない」といわれると、長男の方が(少しくらい威張らせてもらうだけでは)なっとく出来ないでしょう。
要するに男性が給料で稼ぐ家が社会の中心になると、女性の地位が低くなるだけでなく家督相続制が維持できないという矛盾関係になっていたのです。
この諮問は、戦時直前で、政府としては恐慌によってほころびてしまった家制度の強化を目指して諮問をしたところ、政府の期待に反して逆の答申が民法学者から出たので、そのまま握りつぶされてしまったらしいのです。
他方日ごろから人権人権といっている刑法学者は、政府の期待通り、戦時体制強化方向への刑法(刑法本体とは限らず、各種取締法)改正に協力したようです。
民法学者は骨があるともいえますし、弁護士である私のように実体経済に直接かかわっている訳ではなくとも、研究対象が実体経済でしょうから、観念論の好きな刑法学者よりも実際が見えていたのでしょう。



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