04/29/04

過疎地域活性化特別措置法2(過疎地とは?5)

この過疎地域対策名目でどれだけの予算が使われているかについて、先ず、データから見ていくのが良いでしょう。
以下は、活性化法に対する国土庁 地方振興局 過疎対策室 のホームページからの転記です。

 「活性化法においても都道府県、市町村が活性化計画を策定して過疎対策事業を推進することとされ、前期5年間の計画に基づいて実施された事業費の総額は15兆9千億円、後期5年間の事業費の計画額は20兆6千億円が予定されている。今後の計画分も含め、昭和45年以来30年間の過疎立法に基づく計画計上事業費の総額は、累計で約62兆円にのぼることになる。

過疎地域活性化特別措置法の制定により拡充され又は新設された主な措置(平成2年4月)

財政措置 過疎債の対象事業の拡大(第12条)
    例)
  • 地場産業を行う第3セクターへの出資
  • 生産施設、加工施設及び流通販売施設
  • 産業に振興に資する市町村道、農林道等
  • 港湾
  • 高齢者の福祉の増進を図るための施設
  • 下水処理のための施設
  • テレビジョン放送等難視聴解消のための施設 等
行政措置
基幹道路の整備(県代行制度)(第14条)
過疎地域とその他の地域を連絡する基幹道路についても県代行の対象とする。
高齢者福祉の増進(第17条)
高齢者生活福祉センター事業を創設する。
金融措置
農林漁業金融公庫からの資金の貸付(第23条)
農林漁業金融公庫の経営改善資金貸付制度の貸付対象に農林漁業者が組織する法人を加える等の拡充。
中小企業に対する資金の確保(第24条)
中小企業事業団の高度化融資事業における貸付条件の優遇措置を創設。
税制措置 宿泊施設(スポーツ施設、集会施設を含む)についても措置対象とする。


過疎地域活性化特別措置法に基づく現行の特別措置の概要

特別措置の内容 振興法との関係
財政措置 国の負担又は補助の割合の特例(第10条・第11条)
過疎地域活性化のための地方債(過疎債)(第12条)
継続
拡充
行政措置 基幹道路の整備(県代行制度)(第14条)
公共下水道の幹線管渠等の整備(県代行制度)(第14条の2)
医療の確保(第15条・第16条)
高齢者の福祉の増進(第17条・第18条)
交通の確保(第19条)
小規模校における教育の充実(第20条)
農地法等による処分についての配慮(第21条)
国有林野の活用(第22条)
拡充
平成3年改正で新設
継続
一部新設
継続
継続
継続
継続
金融措置 農林漁業金融公庫からの資金の貸付け(第23条)
中小企業に対する資金の確保(第24条)
住宅金融公庫等からの資金の貸付け(第25条)
拡充
拡充
継続
税制措置 事業用資産の買換えの場合の課税の特例(第26条)
減価償却の特例(第27条)
地方税の課税免除又は不均一課税に伴う措置(第28条)
継続
拡充
拡充

 

以上のように、過疎の進行をとめるのではなく、僻地そのものに税金をつぎ込む制度に変質していったようですから、「過疎地域・・・・・・活性化法」という表題は廃止すべきでしょう。
過疎と言うのは、当初書きましたように、単にまばらに人がいると言う自然現象や、社会統計概念ではなく、政治の対象として何らかの施策が要請される優れて政治的な概念です。
市場経済に適応できず、逃げ遅れた人間の為の法律です。
古くからの集落は、一定の数の人間がいて、ある程度自給自足できる仕組みでしたが、次々と働き手が流出しますと、いろんなネットワークで成り立っていた農山村の生活利便性が悪化します。
こうした急激な変化を緩和するべく「過疎地域・・・・・法」の存在意義があるのです。
たとえば、北アルプスや富士山の山小屋で働いている人たちは、極めて人口密度の少ないところにいるわけですが、こうした人たちは、その条件を前提にもともと生活をしているのですから、救済する必要がありません。
ある程度の集落で生活していたのに、多くの人が都会へ逃げ出してしまい、残された人たちの生活基盤が破壊されたことから、残された人たちの生活を確保することが政治のテーマだったのです。
効率ばかりでは割り切れない分野ですから、それはそれとして、必要なものだったでしょう。
しかし、昭和55年の振興法以来の法律は、「逃げ遅れた人間の為に何とかしましょう。」と言う精神は背景に退いて、主として僻地であると言うだけで、膨大な予算をつけて公共工事をする目的の為の法律に変質してきているのです。
過疎地対策と言う言葉を利用した大都会の大手企業が、ダム工事などの受注機会を継続してきただけではないでしょうか?


「国土の均衡ある発展」などというマスコミの表現が、この頃から増えたように思います。
繰り返しますが、住む人に無関係に国土は均衡する必要がありません。
住む人もいないのに、せっかくの緑滴る山を削って剥き出しの山肌にコンクリートを吹き付けたり、舗装したりして公共工事をするばかりですから、その結果は自然破壊でしかありません。
動物の棲息環境を破壊しているのですから、「過疎地域・・・・法」ではなく、自然破壊促進法(土木事業救済法)と言うべきかもしれません。
実は土木事業も、公共事業頼みでは、活性化しません。
需要があって、競争でもまれてこそ産業としての存在価値があるのです。
本来的な需要もないのに、税金だけで仕事をしようとするから、族議員が必要になると言う次第です。
冒頭に投入した国費の額を紹介しましたが、実はその何倍か知りませんが、過疎地域として指定されると、おいしいことにいろいろな財政援助があるのです。
こうした援助が繰り返されると、麻薬のように作用してきます。
何しろ過疎地域と認定されると、公共工事費の70%も国が出してくれるなど特典が一杯です。
昨年の長野知事のダム工事中止宣言で、はしなくも明るみに出ましたが、止めるならこれまで国が出した補助金を返さなければならなくなるので、無駄だとわかっていてもやりかけた工事を止められないと言うマスコミの解説がありました。
マスコミとしてはこうした報道によって、ダムを止める方が長野県としては、余計にお金がかかると言う推進派の応援をしていたつもりでしょうが、日本国民として考えれば、国にお金が帰っていくのですから、トータルとしては、やはりダムが無駄な工事かどうかと言う論点に帰するのです。
いずれにしても、公務員は、変な仕組みを作って、一旦始めたら止められない公共工事の仕掛けをしていたことが、露呈したのです。
こうして地方では、公共工事に依存する業者が増える一方となり、発言力が増す一方です。(地方政治家は土建屋兼業が多いのです)
彼らは、過疎地対策関連の法や、農振法などの存続陳情を繰り返し、役人もこれに便乗する次第です。
この法律や、農振法、農工法或いは各種・・・振興法は、それぞれものすごい巨額の予算を食いますので、それだけに応援団が肥大する一方です。
放って置けば、農業や、過疎地の老人離島住民をダシにして名前を変えて永久に存続するのでしょうか?




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