04/21/04

戦後の農業政策6(農振法と農村地域工業等導入促進法=農工法)族議員の跋扈

農業政策を見て行きますと、我が国の歴史上農地売買が自由であった時代は、明治以降敗戦までの僅かな期間(約80年)でしかなかったことと、明治以降現在にいたる農政は、主体こそ地主・民間から国や公共団体に変わりましたが、一貫して規模拡大・効率重視政策だったと言えるでしょう。
規模拡大政策は、個人の資金でやっている間は、節度がありましたが、税金でやるようになれば、節度がなくなる危険があります。
医療も,保険制度になると乱診乱療になりがちです
共産制は、いうは安く、実際は、うまく行かないのと同じで、やはり自己責任原則がないと、野放図になりがちです。
それでも人力時代は、それ程の害はなかったでしょうが、農振法制定以降すなわち高度成長期以降の事業となると、先ず測量や土木工事が先行し、ついで、機械化となりますので、農業保護とは言うものの、土木業者・土木機械メーカー・農機具メーカー・肥料業界、その他各種産業界の保護・要望にもマッチしていたのです。
経済産業省(当時は通産省)の補助金は、一応、ある産業や機械を発展させる目的があってやることですから、一応の節度が保てます。
農水省系の族議員は、膨大な予算の獲得による利権獲得自体が目的で、特定産業を育てなくてはならないと言う理念(本来農業がその特定産業なのですが、彼らは、むしろ土木業者らからの献金と言うお金が目的です。)は必要がないのですから、厄介です。
日本中が官の考える同じ企画の耕地整理、土地改良行為・得意の画一的行政ですから、結局、政治家の独創的な意見の実現の為と言うよりも、自分の選挙区にその予算を引っ張ってくるかどうかだけの話になるのです。
こうした土壌から、鈴木宗男氏のような利権政治家が続出するのでしょう。
話は変わりますが、外務省の海外援助も同じ構図です。
その両方に鈴木宗男氏が多きな力を振るっていたのは偶然ではありません。
どちらも、本来の農業や外交をダシにして、その回りに群がる土木業者などの利権の為に活動するパターンです。
農業保護という大義名分に便乗して、底抜けとも言える農業保護拡大政治が続いた原因ではないでしょうか?
しかし、私が各所に書いているように、アメリカやオーストラリアの何百分の1と言う規模の我が国で、農地を2割や3割、或いは2倍3倍に大きくしてもどうなるものではないのです。
規模拡大政策は、土木業者など他産業を潤していただけで、結局本来の農業回復策にはなりませんでした。
自由貿易圏構想やWTOでも、農業保護がいつもネックになり、マスコミを騒がせます。
こうして今では、農業は国益に反する産業のような印象を抱いている国民が多いでしょう。
衰退産業である農業保護の為に、成長するべき産業が割りを食っていると言う印象です。
こうして農業を保護しすぎだと言う批判の声が満ち満ちてくるのですが、農家こそいい面の皮と言うところです。
農振法以来の政府や産業界の関心は、農業保護に名を借りた土木業その他の低レベル(先端産業ではないという意味です。)産業との癒着にあったのではないかと私は思っています。
ちなみに、農振法制定直後の昭和46年には、農村地域工業等導入促進法(昭和46年法律第112号)と言う法律が制定されています。
農業振興だけではなく、農村に工業誘致しようと言う法律です。
工業誘致をしようとすると、立地するのは大方は平地ですから優良農地(棚田や段々畑には誘致できないでしょう)と競合することが多いはずです。
そうすると、農村に工業誘致を促進し(税制、利子補給その他の補助金付きです。)た場合、本来は農業保護とは相反する結果になります。
工場用地として売買して、地目変更(農地法5条の許可です。)しようとすると、本来農業委員会の許可が要りますが、次に紹介するように、農村地域工業等導入促進法(・・・これも長すぎるので農工法と略称します。)に該当するときは許可が不要となるのです。
農地法をもう一回見てください。
アンダーラインの引いたところです。

農地法
第4条 農地を農地以外のものにする者は、政令で定めるところにより、都道府県知事の許可(その者が同一の事業の目的に供するため4ヘクタールを超える農地を農地以外のものにする場合(農村地域工業等導入促進法(昭和46年法律第112号)その他の地域の開発又は整備に関する法律で政令で定めるもの(以下「地域整備法」という。)の定めるところに従つて農地を農地以外のものにする場合で政令で定める要件に該当するものを除く。)には、農林水産大臣の許可)を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
各号省略
(農地又は採草放牧地の転用のための権利移動の制限)
第5条 農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。次項において同じ。)にするため、これらの土地について第3条第1項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が都道府県知事の許可(これらの権利を取得する者が同一の事業の目的に供するため4ヘクタールを超える農地又はその農地と併せて採草放牧地について権利を取得する場合(地域整備法の定めるところに従つてこれらの権利を取得する場合で政令で定める要件に該当するものを除く。)には、農林水産大臣の許可)を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
各号・・・略」




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