04/19/04

農業振興地域の整備に関する法律2(農振法)(補助金農政の根拠法?1)

今回は、条文の紹介が中心です。
ただし、条文の間に解説(と言うよりも、私の妄言です)を書いていますので、気を付けてみてください。

農業振興地域の整備に関する法律
【目次】
第1章
総 則
(第1条〜第3条)
第1章の2
農用地等の確保等に関する基本指針
(第3条の2〜第3条の3)
第2章
農業振興地域整備基本方針
(第4条〜第5条)
第3章
農業振興地域の指定等
(第6条〜第7条)
第4章
農業振興地域整備計画
(第8条〜第13条の6)
第5章
土地利用に関する措置
(第14条〜第19条)
第6章
雑 則
(第20条〜第25条)
第7章
罰 則
(第26条〜第27条)
  昭和44・7・1・法律 58号  


第1章 総 則
(目的)
第1条 この法律は、自然的経済的社会的諸条件を考慮して総合的に農業の振興を図ることが必要であると認められる地域についてその地域の整備に関し必要な施策を計画的に推進するための措置を講ずることにより、農業の健全な発展を図るとともに、国土資源の合理的な利用に寄与することを目的とする。」

これまで紹介してきましたように、目的が、農地の改良ではなく「農業の振興を図る」と幅が広くなりました。
しかも点ではなく「地域」の整備ですから空間的にも広くなりました。



(農業振興地域の整備の原則)
第2条 この法律に基づく農業振興地域の指定及び農業振興地域整備計画の策定は、農業の健全な発展を図るため、土地の自然的条件、土地利用の動向、地域の人口及び産業の将来の見通し等を考慮し、かつ、国土資源の合理的な利用の見地からする土地の農業上の利用と他の利用との調整に留意して、農業の近代化のための必要な条件をそなえた農業地域を保全し及び形成すること並びに当該農業地域について農業に関する公共投資その他農業振興に関する施策を計画的に推進することを旨として行なうものとする。」

この法律は、土地の改良だけでなく、農業振興が目的の法律で、そのための公共投資が出来るというのですが、何が農業振興になるのかは法律で決まっていません。
予め法律で一義的に決めるのは、性質上無理があるでしょう。
そうは言っても何か縛りをかけないと、政治家の陳情と役人のさじ加減で無制約な予算・補助金支出となりかねませんので、(法治国家ではなくなってしまいます。)第2条で整備の原則が規定されました。
いわく、「・・・・土地の自然的条件、土地利用の動向、地域の人口及び産業の将来の見通し等を考慮し、かつ、国土資源の合理的な利用の見地からする土地の農業上の利用と他の利用との調整に留意して・・・」と言うのですから、官僚的表現としてはそつのないところですが、これでは結局何のことか分りません。
第1条記載の「農業振興」と同じことを、言い換えただけでしょう。
こうして、箇所付けする役人のさじ加減で農業振興に役立つと言えば、(どういう根拠か問い詰められれば、条文を読み上げて、「・・・・を総合調整した結果・・・・・・。」といえば誰でも黙ってしまうしかないでしょう。)何にでも税金がつぎ込める法律が出来たと言えるでしょう。
こうして整備が無制限的広がりがなく、一応の歯止めがあるという理屈(建前)を前提に、ずばり「当該農業地域に関する公共投資」と言う文字が出てきました。

(定義)
第3条 この法律において「農用地等」とは、次に掲げる土地をいう。
1.耕作の目的又は主として耕作若しくは養育の業務のための採草若しくは家畜の放牧の目的に供される土地(以下「農用地」という。)
2.木竹の生育に供され、併せて耕作又は養畜の業務のための採草又は家畜の放牧の目的に供される土地(農用地を除く。)
3.農用地又は前号に掲げる土地の保全又は利用上必要な施設の用に供される土地
4.耕作又は養育の業務のために必要な農業用施設(前号の施設を除く。)で農林水産省令で定めるものの用に供される土地

この条文は読めば分る簡単なものですが、「木竹の生育に供され・・」と言うのは我々法律家には聞きなれない表現です。
従来の用法では、竹木と言う熟語です。
何故木竹に変わったのか?単なる誤植かどうか分りません。

第1章の2 農用地等の確保等に関する基本指針
 
第2章 農業振興地域整備基本方針
     省略   


(農業振興地域整備基本方針の作成)
第4条 都道府県知事は、基本指針に基づき、政令で定めるところにより、当該都道府県における農業振興地域の指定及び農業振興地域整備計画の策定に関し農業振興地域整備基本方針を定めるものとする。
《改正》平11法120
2 農業振興地域整備基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
1.農用地等の確保に関する事項
2.農業振興地域として指定することを相当とする地域の位置及び規模に関する事項
3.農業振興地域における次に掲げる事項に関する基本的な事項
イ 農業生産の基盤の整備及び開発
ロ 農用地等の保全
ハ 農業経営の規模の拡大及び農用地等又は農用地等とすることが適当な土地の農業上の効率的かつ総合的な利用の促進
ニ 農業の近代化のための施設の整備
ホ 農業を担うべき者の育成及び確保のための施設の整備
ヘ ハに掲げる事項と相まつて推進する農業従事者の安定的な就業の促進
ト 農業構造の改善を図ることを目的とする主として農業従事者の良好な生活環境を確保するための施設の整備
(農業振興地域整備基本方針の変更)
第5条 都道府県知事は、基本指針の変更により又は経済事情の変動その他情勢の推移により必要が生じたときは、遅滞なく、農業振興地域整備基本方針を変更するものとする。
  以下省略

第3章 農業振興地域の指定等
(農業振興地域の指定)
第6条 都道府県知事は、農業振興地域整備基本方針に基づき、一定の地域を農業振興地域として指定するものとする。
2 農業振興地域の指定は、その自然的経済的社会的諸条件を考慮して一体として農業の振興を図ることが相当であると認められる地域で、次に掲げる要件のすべてをそなえるものについて、するものとする。
1.その他域内にある土地の自然的条件及びその利用の動向からみて、農用地等として利用すべき相当規模の土地があること。
2.その他域における農業就業人口その他の農業経営に関する基本的条件の現況及び将来の見通しに照らし、その地域内における農業の生産性の向上その他農業経営の近代化が図られる見込みが確実であること。
3.国土資源の合理的な利用の見地からみて、その地域内にある土地の農業上の利用の高度化を図ることが相当であると認められること。
3 農業振興地域の指定は、都市計画法(昭和43年法律第100号)第7条第1項の市街化区域と定められた区域で、同法第23条第1項の規定による協議がととのつたものについては、してはならない。
4 都道府県知事は、農業振興地域を指定しようとするときは、関係市町村に協議しなければならない。
5 農業振興地域の指定は、農林水産省令で定めるところにより、公告してしなければならない。
6 都道府県知事は、農業振興地域を指定したときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を農林水産大臣に報告しなければならない。」

04/05/04「農地規制2(農地法4)」のコラムで紹介しましたが、農振法指定地域内の土地を購入して、宅地や工場用地に転用する4条ないし5条許可の場合には、法律上許可できないことになっています。
そこで、農振指定地域の農地を購入して、工場等新設する場合には、先ず、農振地域指定の解除申請から始めなければなりません。
後に紹介する農工法の適用があれば別ですが、我々弁護士に相談に来る1〜3000坪程度の取引では、農振法除外から必要なのです
普通の農地法の許可は、農業委員会が月に一回開かれますので、それに併せて申請するのですが、農振地域除外(正式には変更または解除)は、3月と9月の年2回しか有りませんので、一定の交渉が纏まってから、正式な契約までにはかなりの時間がかかります。
この解除手続きが次の第7条です。

(農業振興地域の区域の変更等)
第7条 都道府県知事は、農業振興地域整備基本方針の変更により又は経済事情の変動その他情勢の推移により必要が生じたときは、遅滞なく、その指定した農業振興地域の区域を変更し、又はその指定を解除するものとする。
2 前条第4項から第6項までの規定は、前項の規定による変更又は解除について準用する。」




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