04/04/04
農地法3(農地規制1)(許可申請請求権の法的性質)
また農地法に戻りますが、所有権がある限り、所有権に基づく登請求権(前回のコラムで説明した意思表示を求める裁判です)は自動的にいつまでも流出し続ける関係ですから、時効を考える余地はありません。
同じく「農業委員会に対して許可申請書を早く出してよ」と要求する権利も所有権に基づいて発生する権利なら時効がありませんが、所有権がないとなれば、時効が問題となります。
ちなみに、所有権には時効がないのです。
もし時効があったら大変ですよね。
自分の家屋敷に安心して住んでいたら、「はい、あなたの所有権はもう○○年経ったから時効消滅しました。出ていって下さい。」なあんてことになると大変です。
このように考えると、「所有権」には有効期間みたいな考えがなく、永久を前提にしていることが分るでしょう。
所有権の説明は、後に民法の所有権コラムで詳しく説明しましょう。
ところで、農地の売買契約では、許可があるまでは所有権が移らないとすれば、買い主の権利は所有権に基づくものではなく、契約上の権利=債権でしかないことになるのです。
債権の消滅時効は最長でも10年しかありませんから、許可申請してくれと要求する権利は、物権的請求権ではなく債権的請求権として10年で消滅時効にかかってしまいます。
土地の開発(例えばゴルフ場)などは10年単位の事業が多いのですから、「10年で時効ですから、厭になったのなら、売らなくても良いですよ」と言う、4月3日に紹介した確定判例(最判昭和50・4・11)は、結果として、農地の移動制限を裏方から応援するものと言えるでしょう。
契約違反であろうがなかろうが、できるだけ農地の移動制限に協力しようと言う裁判所の姿勢ではないでしょうか?
封建時代か、現在国家かを問わず、歴代政権担当者は農地移動に何故消極的なのでしょうか?
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