04/03/04

農地法2((意思表示を命ずる判決とは?)

民法119 農地法は、強行法規として無許可売買は無効であると言う点では争いがないばかりか、農地法の許可を条件にした契約は、許可があるまでは所有権移転の効力が生じないと言う強力な判例になっています。(最判昭和50・4・11)
どう言う意味かと言いますと、所有権移転は意思表示によって効力が生じるのが民法の原則であると、平成16年3月30日「沽券から地券へ2 (不動産登記法4・・・権利証)(公証の時代)」のコラムで説明しましたが、農地に限っては、許可が効力要件であるから許可があるまでは、所有権に基づく効力は一切生じないと言うものです。
似たようなものだと思うでしょうが、売買契約後10年以上経ってしまった場合を考えてみて下さい。
契約後売り主がいつまでも農地転用の許可申請を出してくれない時に、買い主が売り主に対して「農地転用許可申請手続きをせよ。許可があったときには、所有権移転登記手続きをせよ」と言う判決を求めて訴えた場合です。
これは「意思表示を命ずる判決」と言い、このとおりの判決が確定すると被告が意思表示したものとなります。
被告が許可申請や登記申請をしなくとも、申請したものとして扱うのです。
ですから、強制執行の余地がありません。
近代法どころかもっと昔から、面従腹背と言う熟語があるように、人の意思までは強制できないことは、誰でも知っていることです。
そこで法は、強制執行しなくて済むように、こうした便法を認めたのです。
そうでなければ拷問してでも、「言え、言え」と責め続けるしかないでしょうが、そんな人権侵害は認められませんので、判決が確定すると、被告が言わなくとも言ったことにする仕組みになっているのです。
謝罪広告を命ずる判決も同じで、被告が全く謝る持ちがなくとも「・・・・の広告をせよ」と言う判決が決まれば、勝った原告が、被告の名前で広告を出せるのです。
文書偽造にはなりませんよ。
民法を紹介しましょう。
民法
第414条 債務者カ任意ニ債務ノ履行ヲ為ササルトキハ債権者ハ其強制履行ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得 但債務ノ性質カ之ヲ許ササルトキハ此限ニ在ラス
2 債務ノ性質カ強制履行ヲ許ササル場合ニ於テ其債務カ作為ヲ目的トスルトキハ債権者ハ債務者ノ費用ヲ以テ第三者ニ之ヲ為サシムルコトヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得 但法律行為ヲ目的トスル債務ニ付テハ裁判ヲ以テ債務者ノ意思表示ニ代フルコトヲ得
3 不作為ヲ目的トスル債務ニ付テハ債務者ノ費用ヲ以テ其為シタルモノヲ除却シ且将来ノ為メ適当ノ処分ヲ為スコトヲ請求スルコトヲ得」
この条文の中の、第二項の「・・・・但法律行為ヲ目的トスル債務ニ付テハ裁判ヲ以テ債務者ノ意思表示ニ代フルコトヲ得」と言う規定が意思表示を命ずる判決の根拠条文です。




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