04/02/04

取り締まり法規と強行法規1(出資法違反事件と貸金業法)

農地取り引きの規制があると言うだけではなく、現在の農地法の規制効果は、強力ですよ。
取締法規に反した契約、例えば運送免許その他無許可営業であっても、建築契約や運送契約自体が無効になることはありません。
ところが、違法性が強い場合は、単に違反者が処罰されるだけではなく契約自体も無効になる場合があります。
これを強行法規と言います。
取り締まり法規には、違反した契約の効力までは書いていませんので、事案ごとに解釈で解決していくことになります。
最近、社会問題になっている事例では、出資法違反の超高利契約(いわゆるヤミ金融)は、違反であることによって刑法で処罰されるだけでなく、民事契約としても無効であるかどうかと言うものです。
この点我々弁護士は、違法性が強いので単なる違反にとどまらず無効である・よって、これまで払ったお金は全額(元金分も含めて)返せと言う主張をして交渉しています。
相手は自分の貸したお金はどうなるかと言って来ますが、それは、民法708条の「不法原因給付といって返還を求められない」と言います。
不法原因給付については別の機会に説明しましょう。
こちらにとって馬鹿に都合のいい理屈ですから、まあ実際は、「3日以内に返すなら、貸してもらったお金は差し引いて計算してそれ上に払った分だけを返してくれればいい」と言う和解をすることがあります。
貸し金業法では、平成15年の改正でこの争いを解決しています。
横へそれますが、ちょっと紹介しておきましょう。

貸金業法
第6章 雑 則


(高金利を定めた金銭消費貸借契約の無効)
第42条の2 貸金業を営む者が業として行う金銭を目的とする消費貸借の契約(手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によつて金銭を交付する契約を含む。)において、年109.5パーセント(2月29日を含む1年については年109.8パーセントとし、1日当たりについては0.3パーセントとする。)を超える割合による利息(債務の不履行について予定される賠償額を含む。)の契約をしたときは、当該消費貸借の契約は、無効とする。
《追加》平15法136
2 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律第5条第4項から第7項までの規定は、前項の利息の契約について準用する。」

このように、貸し金契約が無効になるので、借りたことになっているお金は、返す必要がなくなります。
そうすると、借りた人はそのお金を利得(得する)することになりますので、民法の原則では、703条の不当利得と言って返還義務が発生するように見えますし、みなさんもそう思われるでしょう。
ところが不法な原因で給付した場合は、一見不当利得のようであっても返さなくとも良いと言う例外規定が708条の不法原因給付と言われるものです。
民法を紹介しましょう。

第4章 不当利得第703条 法律上ノ原因ナクシテ他人ノ財産又ハ労務ニ因リ利益ヲ受ケ之カ為メニ他人ニ損失ヲ及ホシタル者ハ其利益ノ存スル限度ニ於テ之ヲ返還スル義務ヲ負フ
第708条 不法ノ原因ノ為メ給付ヲ為シタル者ハ其給付シタルモノノ返還ヲ請求スルコトヲ得ス 但不法ノ原因カ受益者ニ付テノミ存シタルトキハ此限ニ在ラス




関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

稲垣法律事務所コラム内:憲法に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:米国、合衆国、アメリカに関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:歴史に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:江戸に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:戦前に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:戦後に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:武断に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:中国に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:不動産に関するコラム


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資