04/22/03

保証会社の機能(保険の存在価値1)5

運送会社にとっての自動車保険は、一見本業のリスクに備えるように見えますが、運送業の本質的リスクは、一定の車を購入したり従業員を雇ってそれだけのお客が有るかと言うのが本業のリスクなのです。
「くろ猫やまと」で言えば、小口配送を始めて大丈夫だろうか?というリスクを取ればいいので、交通事故のリスクは合理化出来ればするに越した事は有りません。
その他の業種も同様であって、輸出入業者の取るべきリスクは、船の遭難のリスクではなく、遠隔地から仕入れて外国に持って行って売れるかどうかが本質的リスクです。
銀行も営業社員の交通事故リスクを、なくすのはいい事です。
このように、本質的業務外のリスクを軽減するために、アウトソウシングや保険を発達させるのは企業努力として賞賛されるべきです。
しかし、本業のリスク回避の為に、百貨店が全品返品出来るとか、買い付けの焦げ付きリスク回避の為に常に全額保証されるのは、保険制度の濫用以外の何ものでもありません。
なお、証券取引実務で一般化していた損失保証が1991年に証券取引法の改正で禁止されたことを想起して下さい。
情報の殆どない消費者には、自己責任を強調しておきながら、自己責任でやるべき機関投資家や大手企業の財務責任者等のプロが、責任を免れるために損失補填特約を求めていたのです。
リスクを取るべき「商」の典型的取り引きであるべき株式取り引きにまで、(資本主義、自由主義社会の核ですよ!)リスク回避の風潮がはびこっていたのには、驚きというより外ありませんね。
これでは、貸しビル業者がビルの建設に際して、建築会社に家賃保証を求めたくなるのは当たり前ですね。
このように、日本中がリスク回避に励んでいたのです。

 


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