04/11/03
素人(消費者)とプロ(業者=商人)の違い(商人とは?) 5
高度成長期以降、我が国の産業界のトップクラスは世界的大企業となり、そこが設立した子会社ないし関連会社が重層的に連なっています。
国内で少し名の知れた会社でも、関連会社が何百社も有るのが普通です。
まして大手となれば、何千社も抱えています。
その結果、大手の連結決算の対象になっている中小零細会社が多いばかりか、連結対象でなくとも、事実上支配服従関係に有る会社が少なく有りません。
今では、本当の独立系の新規開業は極端に少なくなっているのです。
その意味で、マスコミが報道する新規開業率は、実際の経済活動を現わしていないキライがあるのです。
中小企業の殆どが、大手企業の関連会社ばかりになりますと、商人であるべき企業がサラリーマン社長以下全員従業員によって構成されるようになりました。
商人の定義のコラムで説明を省略しましたが、形式的概念の一つとして、商法4条2項では、店舗を構える場合だけでなく、企業組織であるだけで商人と「看做」されています。
商法の適用対象をきめる基準としては、内容実質で決めると新しいビジネスモデルが生じる都度、商法変更が必要になります。
業務内容に関わらず外形的な組織や店舗の有無で商人の定義を決めると、その都度改正しなくてすむから便利なので、昭和13年に形式主義を採用して第2条が追加されたらしいのです。
ただし、これは飽くまでも立法の手間を省くために形式化しただけであって、「商」の本質が変わるものでは有りません。
リスクを取る事に「商」の原点が有る点は、変わりがないのです。
サラリーマン社長以下、みんなでリスクを取るのを回避していても、店舗を構えたり、株式会社組織である限り、商法上は商人と認められますが、それは本来の商人では有りません。
商法第4条2項に「・・・者ハ商行為ヲ為スヲ業トセザルモ之ヲ商人ト看做」されるだけです。
「看做す」と言う意味は「・・・と同視する。」「・・・に擬制する」の用語法から明らかなように、「ある本物と本質が違うが、作用や機能と言う側面から評価して、同一に見る。」すなわち同視する。
あるいは、「本当は違うが同じものと擬制する」場合に使われる熟語ですから、企業組織でやっていれば、内容に関わらず商人と看做す条文は、一種のまがい物に過ぎないと宣言しているようなものでしょう。
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