04/02/03

不動産競売手続きと最低売却額の機能 2

昔と言っても私が弁護士になった頃の事ですが、落札したい人はプロに落札を頼む必要がありました。
当時は抵当権質権その他の担保権に基づく、いわゆる任意競売手続きには競売法と言う法律があって、強制執行の競売手続きは、民事訴訟法の中の強制執行編に規定されていました。
競売の方法は文字とおりの「競り売り」でしたので、執行官が競る場所には10人前後入れれば良い方で、いつも限られたほんの何人かが、プロとして牛耳っていました。
無関係者が参加しようとすると、裁判所の入り口で袋たたきにあったり、競売場内でも、プロの仲間が群がって人垣の前に出られないように妨害したり、(ひしめき合った人込みで、執行官の目に触れないところで、腹を小突く等)無理に落札すると、帰り道で脅されたりする事すらありました。
こういう時代には 最低価格がないと、極端に安く落札されてしまう弊害が考えられました。
民事執行法が昭和55年に制定されてからは、同法64条2項で、競り売りだけでなく入札形式も導入されて、同条1項で執行裁判所がその方法を選択出来る事になりました。
過去に競売屋の跳梁に悩まされていた裁判所は、この法律施行以来入札を原則としています。
私は寡聞にして競り売りの事件を全く経験していませんので、現行法になってからは、競り売りは皆無ではないかと思います。
ちなみに如何に競売ブロウカ−に悩まされていたかについては、以下の条文を見ればその歴史的経過が明らかです。
民事執行法65条・・・「執行官は次に掲げるものに対し、売却の場所に入る事を制限し、若しくはその場所から退場させ、または買い受けの申し出をさせない事ができる。」
1・・・・「他の者の買い受けの申し出を妨げ、若しくは不当に価格を引き下げる目的をもって連合する等・・・・・た者」
 2・・・省略
折角このような条文を整えましたが、入札の場合は、郵便でも申し込めますので、入札方式ばかりになった今では、売却の場所にひしめく事もなくなりました。
今では、プロの競売屋が競り売りの現場で、素人の参加を妨害するような事は不可能になったのです。
入札形式になって、プロの競売屋と言うものは自然消滅し、今では誰からの妨害も心配ありません。
まさに法律の建て前とおり、国民(実は国民に限りません)等しく誰でも参加出来るようになったのです。
以下不動産業者と全くの素人の参加関係を見ていきましょう。

 


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