04/19/02
離婚とバランスシート
現在では、殆どの人が、企業社会に組み込まれていますので、仕事の上では、バランスシート的考え方に馴染んでいる人が多くなっています。
昨今では公的団体でも、バランスシートの作成が要請されていますので、社会人にとって必須の教養になっているかも知れません。
ところが、会計に詳しい人でも、家計になると、どんぶり勘定で生活している様です。
これが離婚事件になりますと、やはり、バランスシート的思考で、冷徹に清算をする事になります。
たとえば、5才、8才の子供を持つ夫婦の場合に、奥さんは自宅だけは欲しいとおっしゃる事が多いのです。
資産を聞いてみると、5年前に4000万円で自宅を購入し、ローン残高が、不明、今度来られる時に自宅の時価や、ローン残高、夫の年収等を調べて来て下さい。と言う事で一回目の相談は終わります。
勿論、私は、ローン残高や資産のプラスマイナスを調べないと、何故、相談者の希望について答えられないかも詳しく説明しますので、この段階でおよそ1時間が過ぎてしまいます。
次の相談で、ローン残高、3600万円、自宅の時価は、近所のちらし広告で3000万円前後、(競売になると2100万前後か?)預金はローン支払いに精一杯で100万円前後という事が分かりました。
夫の月収を聞いても、2人の養育料支払いの外に奥さんや子供の為に家のローンを支払い続ける事は、出来そうも有りません。
『多分夫は、別居ないし離婚後は、ローン支払いをストップするか、養育料の支払いを、ストップせざるを得なくなるでしょう。』と、説明すると、『あの人が悪いのにそんな事が許されるのですか?』
『慰謝料の請求権も有りませんか?』とも言われます。
『離婚理由よっては、当然、慰謝料の請求権が有りますよ。』とは答えるものの、夫の収入以上に請求しても、どうにもならない現実を、また1時間話す事になります。
夫の方も、バブルの頃は、自宅を処分すれば、お釣が出たので、こうした難問にならなかったのですが、現在のように、自宅を売ってもマイナスというのでは、売るに売れず、かと言って別居後も、そのままでは、ローンを払えなくなって、(別居後のアパート代を含む夫の生活費は、これまでの夫婦生活費に新たな負担となりますので、妻子の生活費の外にローンまで払える人は滅多にいません。)デフォルトになってしまうジレンマに悩まされます。
このように、家庭においてもバランスシートを把握しておかないと、離婚問題に限らず、転居その他、財産処分の必要性が生じた時に、にっちもさっちも行かなくなりますよ。
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