04/01/02

法律解釈と事実の説明 2  

前回に続いて、相談者の説明を、事実の説明と私が受け止めて、その説明を、前提に裁判をすすめてしまった例を御紹介しましょう。 それは、被相続人が、『遺言書を書いている途中で疲れたので、文書の中段以降を、私が代筆した。』それで他の相続人が無効だと言う裁判をして来たので頼みたい。と言うものでした。 遺言書は、遺言者の直筆でなければ効力がないのは当然です。 私は、相談者の加筆部分が、遺言にどのような影響を与えるかを研究しながら応訴する事にしました。ところが、訴訟が始まって一年程した時になって、ひょんな事から『遺言者が疲れたと休んでいる間に、自分は鉛筆で下書きをしてやって、その後に遺言者がなぞって書いたので、自分が代筆した事になると思っていた。』と言い出しました。 私は、本当に驚きましたので、『なんで事実に反して自分に不利な事を言ってたの?』と、つい、怒っちゃいましたよ。 すると『テレビで遺言書は本人が書かないといけないと言ってたので』と理由になるのかならないのか、分からない事を言います。 今までの苦労を考えると、腹は立ったものの、俄然裁判に勝ちそうな事実が出て来たので、喜び勇んで、今までの主張を変更して、互角の争いに持ち込み、(訴訟手続き上は、自白の撤回が許されるか?代筆したと言うのは事実の自白か、中間概念か?と言う難しい問題が有りますが)結局勝訴判決を獲得しました。 苦労しましたよ。本当に。




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