03/20/08
サブプライム問題と世界経済6(低金利競争2)
アメリカが低金利競走を始めたら、どうなるのでしょうか?
実際には、先行した日本の低金利政策の学習効果で、アメリカがドルの大量供給をする可能性がある、金利を引き下げる可能性があると言う思惑だけで、これを織り込んでドルの下落が先行しますので、アメリカが日本のまねをして低金利政策をとっても、ドルのキャリー取引のうまみがなくなっているのが実情です。
日本の円キャリー取引の場合は、ゼロ金利で借りた円でユーロなどに両替してヨーロッパで投資し、高利回りを得て利ザヤ稼ぐだけでなく、円の大量放出・・上記のように円を放出した分だけ、貿易収支上の交換から生じる為替相場にこの外貨と両替する分の円売り圧力が加わるので、円は長期的にじわじわ下落します。
この円下落の動きが緩慢でしたから、借りた機関投資家が円を買い戻して日本の銀行に返すまでに円が2〜3割下落していれば、借りた方は金利差の上に為替差益もあって二重の利益になりますから、安心して日本で円を借りて海外で投資できたのです。
この仕組みのお陰で日本の大量発行した円は、海外にそのまま流出し日本国内のインフレにならなかったのです。
ところが今度のドル下落局面では、円で学習しているので、ドルの放出以前に、その見込みだけで、ドルが先に値下がりしています。
借りるときに既にドルが下落してしまっていて、返すときまでにそれ以上の値下がりがなければ、金利差の利益だけですから、これでは両替手数料や借りるときの契約経費その他のコストがあるので、僅かな金利差ではそれほど儲けがありません。
そのうえ、もしかして返済時にドルが持ち直して、少しでも上がっていると大損となります。
学習効果の結果、円キャリー取引のように、ドルのキャリー取引はパーフェクトに儲かる取引形態ではなくなったのです。
しかし、これが分からずに当面まねをする人が多いと言うか、市場の末端では、同じ現象が起きると誤解して、大騒ぎにはなるでしょう。
(大方の人は過去の経験だけで、今度も同じだと思って、動くものです)
上記のように過去の例を真似するアホな人も多くいますが、結局は時間の経過でそのうち大損するので、この種取引は次第に減少していくはずです。
そうすると、低金利下で大量発行されたドルはアメリカ国内に滞留し、国内での猛烈なインフレになるのではないでしょうか?
他方で、キャリー取引は成り立たないとしても、アメリカで発行されるドルは国内滞留の限度を越えると水が低きに流れるように自然に国外に流出するでしょう。
どこの国でもお金のたりない人はいくらもいて、貸してくれるなら融資を受けたい人はいくらでもいますから、低金利でしかも無審査に近く簡単に貸してくれるとなれば、世界中から群がってくるのは自然の流れです。
金融に関する一種の病理現象が、主流になってくるのです。
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