03/16/08

政策責任者の資格(日銀総裁と財務大臣)8

最終的に意見が対立し、他方が金利引き締め、他方は積極財政という矛盾したまでは国民が困りますから、結論として政策の方向性が一致したこと自体を非難するのは、おかしいのです。

結局は、人脈による癒着で決めるのではなく、合理的討論によって決めていくべき分野です。

今回の武藤氏総裁就任の是非は、この歯止めなき国債引き受けの演出者として問題ありと言う論点になっているのはその辺ですから、この辺は「中立性を守ります」と言うだけではなく、日本経済の危機的状況を打開するために、国債増発にはこのような必要があり、その結果こう言うメリットがあったと弁明し、反対する野党は、どのような点でデメリットがあったのかを国会で明らかにして追及すべきでしょう。

今の論戦では、「非国民かどうか」の質問をして「そんなことはありません」と言う感情論を応酬しているのに似ています。

現在では、中立か否かが争点ではありえないのです。

これまでも書いていますが、2006年まで続いた歯止めなき国債増発とこれの日銀による歯止めなき引き受け・・比喩的表現でしかなく、実際には、数量的には95〜6兆円くらいでやめたそうですが、その功罪を論じるべきです。

当時わが国は不況下でしたから、ゼロ金利まで下げても借り手が出てこない状況で、他方で円を大量供給しても使い道がなかったので、民間銀行が投資先に困って安全な国債引き受けに走ったのです。

03/07/07 「ケインズ経済学1と公共投資1」前後で宮沢氏の好況工事政策を書きましたが、国内政策的には、公共工事をするには、増税の外は、建設国債または赤字国債の増発しかなかったのですが、超低金利下では海外勢が引き受けるはずがないし、国内でも本来引き受けてがないで、そのまま強引に大量発行すれば国債価格の暴落・・金利の上昇しかなかったのです。

そこで、これを日銀の買いオペにより市場から国債を大量に吸い上げて貰い、結果的に国債価格の暴落を防ぎながら増発に成功したのです。

国債吸い上げ分と同額の日銀券の増発となりますので、国内需要がない分海外投資家がゼロ金利の日本で借りてこれを海外に持ち出す・・キャリー取引が繁盛するのです。これが、無限大といえる円の垂れ流しに繋がり、世界のインフレ・・原油に始まる資源高騰の原因になっていたのですから、現在の体制でも、事実上政府と一体化しているのです。

小国では効果がないのですが、日米のような経済大国になると一国の金融政策が世界に大きな影響を及ぼすのです。

いわば、世界全体のインフレを志向した政策だったと言えるでしょう。

国債引き受けの問題は、01/18/07「紙幣と国債2(日銀による国債引受の危険性)」として連載しました。

 



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