03/09/08
円の量的緩和と国際的過剰流動性(キャリー取引)
貿易収支や所得収支による円と外貨との交換だけですと、わが国は、恒常的黒字ですから、本来は円高になるべきですが、キャリー取引の結果円をドルやユーロ・・現地通貨に換える・・経済行為としては円の売り払いですから、貿易とは関係なしに借金して海外に持ち出される分だけ円の売り圧力が強くなって、外為取引では円の価値が下がります。
同じことは国内企業にも言えて、国内企業はゼロ金利下で無制限に借金できるとすれば、これを借りて、中国や東欧諸国その他に進出する資金に使えるわけです。これを個人で言えば、外債投資などに振り向ける人が増えているのも同じ原理です。
結果的に円の垂れ流しですから、円安誘導政策となって、貿易上も有利になったのです。
資本不足国の中国やロシアその他後進国では、これが有利に働いて活況に沸いているのですが、先進国では既に既存製品では飽和状態で、新製品開発の僅かなチャンスしか投資機会がありませんから、高成長には結びつかず消費性向を刺激するだけです。この中で、最も消費に歯止めの低い(勤倹貯蓄のモラルの伝統がない)アメリカにお金が流れ着いて、アメリカで過剰流動性になっていた結果が、サブプライム問題だと思われます。(粗筋だけの解釈です)
あるいは、原油を初めとする各種資源の高騰も日本発のマネーサプライの過剰が、引き起こしているとすらいえるでしょう。
もしも私の理解が正しいとすれば、日本の貨幣供給増政策のまねをして現在のアメリカ政府が潤沢な資金供給政策を次々と繰り出しているのは、世界的インフレを引き起こして、大変な事態になるはずです。
日本の円垂れ流しよりは、もっと影響は大きいでしょうが、既にその影響が出始めてドルは下落の一途・・・と言うことは、それだけ国外へドル流出が始まったと言うことです。
私は本当に武藤氏が円の大量供給政策の張本人かどうかまでは知りませんが、世界を揺るがす金融危機・・資源高騰の遠因を作ったとすれば、その人は責任を取って引責辞任すべきなのに、新たな責任者になるというのはスジから言って奇怪至極です。
勢いがなくなったとは言え、日本は世界でアメリカに次ぐ経済大国ですから、この大国が貨幣の垂れ流しをすれば世界に対する影響も甚大です。
中国の公害がわが国にも影響のある時代ですから、「自分さえ良ければいい」と言うエゴイズムは問題です。
ま、日本はまだまだ、政治的には世界の小国ですから、世界に責任を持つ必要がないとして無責任体制に徹すれば、日本経済はこれを下地に上昇機運になったのですから、日本としては彼の責任を問う必要がないかもしれません。
いずれにせよ、日銀総裁就任に当たっては、この点に関するきっちりした質疑応答が必要でしょう。
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