03/04/08
市場原理2と敗者の救済
しかも低成長社会では、画期的技術革新が起き難いので、横並び競争になりやすく、僅かな差で大きな勝敗に繋がります。
僅か1点差でも就職できた人と出来なかった人は、1円の差でなくゼロかすべてのような関係です。
この関係は、今では情報の瞬時性のせいで、大手企業間競争でも生じていて、たとえば、機能が数%良くて同じ値段なら、売り上げが数%多くなるのではなく何倍増になり、その逆に劣ってる方は壊滅的打撃を受けるのです。
こうして、ちょっとした技術革新やデザインの差・トップの不用意な発言や対処方法の誤りが、地滑り的大差をもたらして企業の浮沈を分けますので、世界企業といえるほど大きくなっても磐石ではなく、ほんの少しも気を抜けない時代です。
今日の勝者が明日には潮目が変わって敗者になる時代ですから、低成長時代且つ市場経済社会になると精神の拠り所が漂流的で、不安定極まりない時代に突入しているのです。
最近の著名な事例だけからちょっと拾っても、経済現象とはいえませんが、防衛省の守屋前次官やホリエモン、村上ファンドを見ても長年築き上げた地位と言ってもあっという間の転落です。
市場経済社会では、一旦大成功しても磐石ではなく、短期に勝者と敗者の入れ代わりが起きるので、敗者に転落したときの、ケアーシステムが必要なのです。
昔は、破産というと大問題でしたが、今では気楽な感じになって来たのは、敗者復活をし易くしようとする時代精神の表れでしょう。
先ずは、敗者復活のシステム作りをすることで、事業失敗者の精神的苦痛をかなり緩和できるでしょうが、全員が再出発できるとは限らないでしょうから、その部分の救済必要性が残ります。
交通事故で言えば、交通ルールの整備や信号やガードレールの整備などで、ある程度まで事故率を減らせるでしょうが、一定の割合で発生する事故自体に対する治療施設が不必要にならないのと同じです。
他方で、技術革新の激しい時代ですから、時代遅れにならないように、誰でも何時でも受講できる職業訓練制度の充実が要請されるでしょう。
できるだけ、再起システムを整備して、究極的敗者を極小化する努力は有用です。
こうした努力で、究極的落伍者の極小化を図っても、成長率の低下・・マイナス成長になっていけば、復活しきれないグループの一定率の上昇が避けられません。
ですから、最大多数の最大幸福を目指すべき為政者としては、経済成長にこだわるのは当然です。
現在社会では、プラトンの主張する哲人政治よりは、経済政策の達人・・自分で経済が分からなくとも、その道のプロに任せられる政治能力が要請されているのです。
ですから、政治の要諦は右翼か左翼か・愛国主義社か否かなどの思想や人格の問題ではなく、経済政策とそれを実現できる政治力にかかっているのです。
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