03/03/08

保護行政と受身の時代3(民生委員法2)

民生委員は、民生委員法第1条にあるように、社会福祉の増進と言う幅広い目的があるのですが、上記生活保護法の条文の結果、民生委員の具体的仕事が決まったので、これに特化してしまったのでしょう。

03/05/05「暴対法2(必罰社会が安全な社会を作る)」ストーカー法その他で公務員の縄張り拡大意識と職務怠慢を書きましたが、権限を広げておいても何もしないことが多いので、むしろ権限を限定して目的をはっきりさせて、その付帯行為として幅広く行動できるようにしたほうが動きやすいでしょう。

皆さんの意識でも民生委員といえば、生活保護と直結した印象を持っていらっしゃる方が殆どだと思いますが、法の目的が広すぎて却って何をして良いか分からなくなり、とっつきやすい生活保護の下請け的情報収集に特化してしまっているのです。

関係者もそうした意識で従事しているので、精神面で困った人がいても宗教の勧誘ほど積極的ではありません。

昔は自分の権限と関係ないことでも、ついでに、いろんな情報を仕入れて、親切に世話する人が多かったのですが、(結婚の口利きなどもそうして広がったのです)今では自分の仕事以外は関係がないという人が多くなったことも大きな原因でしょう。

そういえば、我々の仕事でも私が弁護士になったころには、従業員が事件を起こしたと言ってはその雇い主がつれてきて頼みに来たものでしたが、今では従業員が事件を起こしたら、会社に知られないように処理してくれと言う逆の関係が100%近くになって来ました。

これは経営者や上司の懐が狭くなったから相談できなくなったともいえますが、私の経験ではその逆で、従業員の方が、自分のマイナスをちょっとでも人に知られたくないとする防衛心の方が強くって殻を硬くしているからだと思います。

サラ金関係もお金に困ると親兄弟に相談してからではなく、自分ひとりで簡単に借りてしまい、行き詰ってから親が知ることが多いのです。

こうした傾向はいろんな場面で出ていて、私が弁護士になったころには、銀行員やその他の営業マンが営業活動の過程で聞き込んだ困っている人を次々と紹介してきたものでしたが、最近の20年くらいはそういうことはなくなりました。

銀行員や証券マンは集金するだけで帰るし、その他の会社の関係者も会社の仕事で来たついでに自分の身の回りの相談をする人が無くなりました。

みんなで、公務員や大企業のセクショナリズムを日常生活に浸透させている感じになってきたのです。

民生委員の話に戻しますと、民生委員は、本来は、現在流に言えば民間非営利のボランティア活動ですが、これを以下のように大臣委嘱に格上げしてしまったことから、公認された制度・・行政・・生活保護と結びつきすぎた関係で、行政の下請け的存在になってしまったのです。

 

民生委員法

第五条 民生委員は、都道府県知事の推薦によつて、厚生労働大臣がこれを委嘱する。

第十条 民生委員には、給与を支給しないものとし、その任期は、三年とする。ただし、補欠の民生委員の任期は、前任者の残任期間とする。

第十五条  民生委員は、その職務を遂行するに当つては、個人の人格を尊重し、その身上に関する秘密を守り、人種、信条、性別、社会的身分又は門地によつて、差別的又は優先的な取扱をすることなく、且つ、その処理は、実情に即して合理的にこれを行わなければならない。

 



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