03/31/07

品確法7 (債務不履行と瑕疵担保責任)過失と瑕疵

品確法が出来た当座、大宣伝していた割に、その直後の消費者契約法の成立その他の意味でも、この法律の効力は大したことがなかったのです。
(最近あまり騒がれなくなったのは、その効果の程が知れ渡ったからでしょう。)
もともとは、安心して長期ローンを組ませて、少しでも家を買わせようとするのが目的の制度だと分かれば、宣伝ばかりが派手な理由がわかるでしょう。
ついでに、民法の基準がもともと10年だったと言うのは、カシ担保ではなく、債務不履行構成ですと時効まで10年(民事の場合)または5年(商亊の場合)になる余地があったことを意味しています。
ところで、瑕疵と債務不履行の区別は実は曖昧です。
当時の技術水準に達しないのを瑕疵と言うのでしょうが、これの見方を変えれば一生懸命に仕事をしていたとしても、要求水準以下の技術・結果であれば過失と認定されることもあるのですから、瑕疵と職人の債務不履行・・手抜き(故意)や工事ミス(過失)との区別は実は微妙です。
ちなみに、過失とは、通常人の水準の注意義務を基準に考えることになっています。
ここで、通常人とは素人を合わせた通常人ではなく、業者ですから業者としての通常人の能力=当時の技術水準と同義になるでしょう。
しかもお金を払う関係ですから、いわゆる善良な管理者の注意義務を要求されることになるでしょう。
善管義務と一般的に省略して言われていますが、これをさらに言い換えると抽象的軽過失と具体的軽過失があって、この場合には、抽象的_軽過失で良いとされています。
このように過失の定義をいくら書いても分り難いでしょうが、コラム読者の方は専門家ではないので、このようにいろいろな区分けがあると言う程度の知識があれば、十分でしょう。
あとは、具体的な事件になったときに(医療過誤を含めて)私を含めた弁護士に相談してくれればいいことです。
このように、債務不履行と瑕疵の区別は意外に難しいのです。
区別が難しいから裁判出来ないのではなく、被害者から依頼を受けた弁護士のほうでは、瑕疵担保責任で請求して行くと特約された免責期間を過ぎている場合でも、債務不履行構成で行けばまだ時効にならない場合があるのです。
このように、ある、一定の事件が起きたときに受任した弁護士の方では、不法行為で請求するか不当利得で請求するか、あるいは債務不履行で請求するかいろんな選択肢があるのが普通です。
それぞれに一長一短があります。
ですから、瑕疵担保責任期間を免れるために業者が特約で1〜2年に限定していても、雨漏りがあったり、家が傾いてきたらよほどのことがない限り、債務不履行として請求できる場合が多かったのです。
瑕疵担保に比べて、債務不履行であれば業者の過失を主張して、立証する必要がありますが、雨漏りや地盤沈下による家の傾きなどは、何年もしないとわからないのが普通ですから、1〜2年で免責する特約があっても、それでは国民が納得しないし、裁判所も余程のことを業者が立証しない限り過失の認定をすることにして消費者を救済するのが普通です。
ついでに頭の体操のために書いておきますと、債務不履行(多くは不完全履行でしょう)は消費者側の主張立証責任ですが、債務不履行が認められると不履行になった原因に過失がないかどうかは、業者側の立証責任になります。
もう少し具体的に言うと、短期間に家が傾いたり雨漏りがすれば、その結果を証明するだけで足り、その原因を招いたことについて、業者側が無過失の立証責任を負うことになるでしょう。
最後に立証責任をかぶる方が大方負けですから、裁判実務としては現に雨漏りがしているか、壁紙が剥がれているか、窓枠に隙間があるか床に不陸があるかどうかなどの結果を立証さえすれば勝負が付くことになります。



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