03/23/07
過剰与信社会4(金融システムの複雑化)
前々回まで書いて来たように、物販関係の提携ローンは、一旦売ってしまえば、客の支払いリスクには売主は関係なくなってしまい、一方的に売主が利益を受けるだけで、何のリスクも受けない関係ですから、客の支払能力を気にする必要もなく、いくらでもカード会員を拡大させたい誘惑があるのです。
いかにサラ金地獄が社会問題になっても、彼ら物販会社によるローン販売・・・与信取り引きの勧誘・・カード会員勧誘は、縮小されることなく今でも熱心に行われているのです。
そして、支払い不履行のリスクを受ける筈の銀行や信販業者も、さらに系列の金融子会社や信用保証会社や債権回収会社に債権を移転していきますので、さらにリスクが分散され、関係が希薄になっているのです。
保証会社に危険・・リスクを移転している関係については、05/13/03「保証会社の機能(保険の存在価値3)7」などで連載しました。
金融機関系列での付回しを越えて、さらにアウトロー的なサラ金業界が勝手に受け皿として成長して来たのがここ30年近くの現象です。
サラ金、さらにその下のヤミ金の発達によって、正規与信業界の焦げ付きリスクが、さらに軽減されたのです。
物販業界(メーカー)にとっては、売れ行きの極大を目指すのは当然ですが、いかに良い物を造っても購買力がその限界となるのです。
その限界を突破するのが与信システムですが、これも購買力の前取りを進めて行けば、いつかは破綻せざるを得なくなるのですが、その破綻までの時間が長く複雑であればあるほど、メーカー・販売業者にとっては、多くの物品が売れることになります。
また、何か不都合があっても直接火の粉が自分達に降りかかってこないメリットがあるのです。
蛇口からホースの末端までの距離が長ければ、ホースに滞留する原油その他の量が多くなるのと同じで、金融関連業界が複雑になってその連鎖が多くなればなるほど、債務破綻の結果が出るまで時間がかかりますし、そのうえ、物販と債務超過の関係が希薄になり、その原因が見え難くなります。
ホースの先で火がついてもそこだけで、消防が騒いでいるようなもので、蛇口の方をひねろうとしなくなるのです。
しかし、サラ金に借りる人は、お金を借りるのが趣味で借りている人は皆無に近いでしょう。
借りる人は必要な使い道があって借りるのです、
サラ金禍の段階だけで見ると、物販段階からかなり遠くなっているので、前段階の借金返済のために借りているように見えますが、その借金は何ためにしたかと順次突き詰めていけば、最初に物を買ったりサービスを受けたことから始っているのです。
サラ金禍が無視できなくなるほど、大きな広がりを見せているのは、本来は過剰販売こそが最初の発端・・原因であるのに、今は複雑な金融連鎖が形作られているために、このような単純な関連が分かり難くなってしまったのです。
現在のサラ金禍の問題は、過剰販売が原因で、サラ金やヤミ金の隆盛は、その結果であるにも拘らず、いまではサラ金やヤミ金だけを非難していて、張本人である物販業界は涼しい顔をしてなおも販売拡大を目指していられるのです。
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