03/23/07

過剰与信社会3(軽易な借金2)テラ銭とカード

カード申し込み(継続的借入申し込み)が簡単であるだけでなく、カードを使うときも借金感覚ではなく、ショップの人から王様の如くぺこぺこされるので、いい気分になって買い物してしまうのですが、法的には、この瞬間に個別の借金をしているのです。
しかし、借金申込み手続と個別借金行為が分離されているので、消費者には「自分は借金しているのだ」と体感し難いのです。
友人や親戚にお金を借してくれと予め頼んでおくのがカード会員申込みにあたるとすれば、物品やサービス購入時にカードを提出するのが、現実に友人や叔父さん宅へお金を受け取りに行く行為にあたります。
こうした比較をしてみると、カードによる借金行為がいかに軽易であるかがが分かるでしょう。
しかし、やっていることは借金そのものですから、返せなくなればきついことは分かっているので、苦しくなるとみんな必死になってサラ金などに駆け込んでしまうのです。
購入資金や遊ぶ資金のない人に対するカード同様の簡易な融通システムとしては、昔から賭場でのテラ銭の配布があります。
賭場の開帳者のことを貸し元とも言いますが、
   「持ってきたお金を使い切ったから帰ろう」
とする客に対して、強引にお金・・寺銭を投げて寄越して、もう1番、もう1番とやらせてしまうのです。
この場合には、カードと違って予めの申込み行為が要りませんが、その代わり、暴力団に氏素性の知れた客ばかりですから、貸し元=暴力団の方では、踏み倒される心配がないのです。
ちなみに、「どこの馬の骨か分からない」と言う言い方がありますが、遊郭の吉原でも賭博場でも、持って行ったお金を使い切って、さらに貸し元から寺銭をたんまり借り込んでしまった客には、「馬」と言う人が家まで送っていってその場で集金してしまう仕組みでした。
近年では、「馬」がついて行っても、大方夜中ですから、そんな大金が家に置いてないのが普通ですので、意味がなくなったのです。
そこで、今では「馬」がなくなって逆に帰りの交通費として「戻り」と言う現金(私が弁護士になったばかりのころの相場では5000円)を渡してくれるようになっていました。
ここで言う「テラ銭」とは、今のカードの前身で、現金その物ではなく、5万円とか10万円とか書いたその場限りのチップ・擬似通貨のことです。
テラ銭は、カード同様に簡易なものですし、しかも「お金がなくなってきた・・そろそろ帰ろうかな・・」と思うとすかさず貸し元が投げて寄越すので、断るヒマもなくつい次の勝負にはまってしまう仕組みです。
賭博の意味については、後に賭博罪(刑法)のコラムでもう少し詳しく書きましょう。
もちろん、デパートやゴルフ会員権その他各種物品を売る業者としては、賭博場の親分と一緒くたにされたのでは、困ると言う意見があるでしょう。
客の方から、買いたいと言ってきたのが提携ローンですから、強引な勧誘・暴力バーとはそこが違うのですが、バブルのころに銀行員が熱心に、ゴルフ会員権などの販売をセットに融資を勧誘していたことを思い出せば、それほどの違いがあるものでは有りません。
いずれにせよ、お金のない人にお金を貸して売りつけたり遊ばせたりする方法で、しかも目の前に現金が見えない(擬似通貨・・カード利用など)簡易さを利用する点では同じです。



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