03/15/07

最低賃金法4と労働力率1

労賃は、その人の労働能力との兼ね合いで市場価格で決まるべきものですが、これを最低賃金法によって市場価格を無視して強制すると、却って弱者の就労機会を奪う危険性があると書いて来ました。
ただ、賃金を市場価格に任せると一方的に立場の強い経営側の言いなりになって、賃金が低い方にばかり流れてしまうので、一定水準以下は禁止すると言うのが最低賃金制度の狙いでしょう。
考えることは、人権保障の精神で立派ですが、実際の効果はどうでしょうか?
労働関係では、労働条件の基本を定める労働基準法があります。
この場合には、相場ではなく基本的労働条件ですから、経営側としてはイヤだから一人も雇わないと言うには、海外への工場移転で逃げるしかないでしょう。
個別の労働条件の問題ではないので、中国などへ逃げると言っても長期的傾向としてそうなるというだけです。
こうした動きは徐々にしか出来ないので、その間は従業員ゼロと言う訳に行かないので、一人でも雇っている以上は基準法を守るしかないでしょう。
これに対して、個別の賃金になると一律強制ではなく最低額の強制だけですから、それ以上に優秀な人がいくらでもいるので、最低賃金額に対応する労働能力のない人は、採用しないと言う逃げ道があるので大違いになるのです。
最低賃金額をその市場相場の中くらいに設定すれば、国民の半分以上(中くらいの能力者が一番層が厚いのです。)を無視しては、労働市場が成立ちません。
仮に100ランクあって、50番の人に払うべき賃金を最低賃金にすると、それ以下の49番、48〜40番くらいの人までは、仕方なしに50番の人と同じ給与を払ってでも採用せざるを得ないでしょう。
しかし、最低賃金ですから、順位下から5〜10番目くらいの値段に設定すると、5〜10番以下の能力の人・病弱者などは数も少ないので、(例えば人口の5%しかないとすれば)その程度の人は完全に無視して一切雇わなくとも、社会経済的にどうなるわけでも有りません。
こうしてみると、失業率がどの程度・何%までで社会が成り立つかのレベルが、最低賃金のレベル設定の基準になるべきでしょう。
ただし、失業率の統計は求職中の人だけですから、実際には当てになりません。
実際に必要な均衡点は、労働力率の統計によるべきでしょう。
この均衡点よりも少し高めに最低賃金を設定すれば、社会全体に人手不足になりますから企業は少しランク下の人に割高な賃金を払っても雇うしかないでしょう。



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