03/07/07

日本の対外資産7(円安と負債増?1)

再び、「平成17年末現在本邦対外資産負債残高の概要」に記載の資産減少原因に戻ります。
外人の買い越しが関係ないとして、財務省は次に資産減少原因として、
・・・「為替円安に伴う外貨建て負債の評価増(+7.7兆円)により」
負債が増加した。
と言うのですが、為替安効果は、資産残高にどう影響するのでしょうか?
例えば、1ドル100円のときに、1億ドルの借金をしていて円表示では100億円仮入れていたとして、仮に資産表作成基準時までに、1ドル120円になっているとすれば、円表示では120億円の債務ですから、20億円債務が増えたと言いたいのでしょう。
この結果7・7兆円のマイナス効果があったと言うのです。
上記の表によれば、対外債務が約325兆円と言うのですから、この間に約2%円安ドル高(ユーロを含めた平均ですが・・)になったと言うことでしょう。
これは一面では正しいのですが、日本は負債だけではなく債権・・対外資産も持っています。
この理屈・・円安効果は、日本が海外に向けて同額の100億円出して1億ドルの債権を買ったときにも働き、円表示債権額は120億円に上昇します。
個人の外貨投資で考えれば直ぐに分かりますが、仮に、前年(購入時)比円がドルなどに対して1割下がれば、ドル表示の株式価格が「購入時比動かず」であった場合でも、円表示では評価が1割増える筈です。
ですから、円安傾向のときに外債を買えば儲かるし、円高傾向のときに買うと評価損になるのが常識です。
結局は同額の貸し借り(対外資産残高がプラスマイゼロのとき)だったら、円相場の上下は資産残高表の増減には中立と言うことです。
バランスシートとしては、両方とも同率で膨らむ関係です。
仮に期間中為替相場変動率が2%円安であったとすれば、上記表によると日本の対外資産が約500兆円だったというのですから、500×2%=10兆円の円安による水増し効果があったことになります。
対外債務の7・5兆円の増加よりは、資産の10兆円増加によって、むしろ2・5兆円膨張している関係です。
上記のように、対外資産がプラスの場合に円表示すると、為替安効果は、対外資産残高表としてはむしろプラスに働く筈です。
(だから、ドル併記せずに円だけで対外資産を書くのは、一種の粉飾ではないかと私が書いているのです。)



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