03/02/07
資本収支と為替相場4(日本経済の実力?1)
話が逸れましたが、長期的資本輸出によって、(結局は、海外投資のためにドルやユーロを買うことになるので)円相場は下がっていきますが、その一方で円を元手にした海外長期投資によって所得収支(受け取り配当金)の黒字幅が増えていきます。
以下国際収支の具体的な内容に入っていきます。
平成18年度は、まだ速報値の段階ですが、確定値の平成17年度では、経常収支の黒字分の182,591億円の内、所得収支の黒字分が113,817億にのぼり、貿易収支(物を造って売ったお金です)の黒字103,348億円を追い越しています。
この傾向はますます強まり、18年度ではもっと差が広がっていることが、19年2月14日の日経新聞夕刊で報道されています。
18年度はまだ速報値の報道ですが、所得収支が前年比20・8%増の137449億円に対し、貿易収支が前年比8・5%減になって、前年の103,348億円から94596億円に約1兆円近くも減っているのです。
前々回コラムで書いたように、後進国やアメリカへの工場移転・現地生産化による貿易収支の黒字減少だけでなく、携帯電話などの先端分野でも、負け始めているのが効いているのです。
(ソニーのウオークマンが、アイポドに負けているのもその一例でしょう。)
円ドル交換レートが、一時100円近くまで行っていたころに比べれば、つい最近まで120円に近くに下っていたのですから(1昨日1〜2円対ドルレートが上がりましたが・・)、現地通貨では、約20%もの値引き販売をして世界市場で競争していることになるのですから、そんなに値下げしていれば本来なら飛ぶように?売れている筈です。
そのうえに超低金利ですから、金融コストが諸外国・・例えば、日本の0%金利〜0・25%金利に対してアメリカでは、5・25%です)安くなっているので、その分製品価格を下げられる筈です。
それでも、円表示で1兆円近くも黒字が減少しているのですから、現在の日本の物作りの裸の実力は大変な事態ではないでしょうか。
(ただし、原油など資源価格の高騰もありますので、製品売上がそのまま減少しているわけではありませんがこの点は後に少し書きます。)
そのうえ、上記国際収支表では円表示で約1兆円の減少・8・5%減前後だったとされていますが、これをドルやユーロ表示の貿易黒字・・外貨獲得額でみれば、さらに100円時代から見れば、円表示の減少分よりも、さらに黒字が約2割減になっていることになります。
このように、自動車などの20世紀型旧型産業が元気・・好景気と言っても、もしも円安効果による売上増がなければ、かなりの輸出企業で収支トントンあるいは売上減に見舞われている可能性すらあるのです。
(仮に、円表示約2割の貿易黒字増の場合でも、外貨表示に直すと100円時代に直すとトントンになるのですが、これが逆に円表示でも前年比マイナスですから、いかに大変な事態になっているかが分かるでしょう。)
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