03/01/07

資本収支と為替相場2

そこで、今では、日本の超低金利をどうにかしない限り、貿易黒字が続いても、円安局面が変わらない仕組みになっているのです。
日本の金利が例えば0・25%上がって0.5%になると、調達金利・・仕入れコストが倍になる勘定ですから、日本から借りている投資家には、いきなり収益構造に問題が生じます。
たとえば、金利がいきなり3%も5%も上がれば、大量資金の引き上げ現象が世界中で一斉に発生するリスク・・株の暴落・・があるので、世界中が日本の金利動向に目を凝らしているのです。
金利が大幅に上がれば、金利の安さに着目して借金して株や債権を購入している投資家は持ちこたえられませんから、この結果、世界中の投資家が日本の銀行に円で返すためにドルやユーロを売って円を買うことになるので、ヨーロッパ諸国の主張するように円は急上昇するでしょう。
この円を買い戻すためには、投資している西洋の株式や債券を売らねばなりませんから、こうなると世界中の株式市場が持たないおそれがあるので、円安を何とかして欲しいが、円高に振れるほど金利を大幅に上げろと日本に対して強くいえない事態になっているのです。
この文章の下書きは、前回G7のころに書いたものでしたが、その後、2月21日ころに上記予想どおりに日銀は0・25%の引き上げを決定したと報道されています。
その後1週間程度の動きでは、0・25%程度の引き上げでは,アメリカの5・25%に比べて、まだまだ桁違いに低いので、直ぐには借金の返済・・海外資金の引き上げと言う円高局面にはならなかったようです。
私のようなド素人でも0.25%引き上げが1月か2月と予想しているのですから、投資専門家は、当然折込済みだったからでしょうから、いきなり急激なパニック的株式下落にならないのは当然としても、じわじわと金利引き上げの効果が効いて来るのでしょう。
逆に言えば、日銀も世界の株暴落の引き金を引けませんから、折込済みの政策決定(せいぜい時期を若干ずらすくらい)しか出来ないと言うことでしょうか?
このように、超低金利政策は、国内の借金だらけの企業に対する金融面での救済だけでなく、結果的に円安誘導となって、国際競争の場で輸出企業に対する下駄をはかせたような結果になっていたのです。
これが、この数年に及ぶ日本の息の長い景気回復に繋がっているのです。
超低金利は、上記のような機関投資家が利用しただけでなく、国内企業の金融コストダウンに働き、他方では、トヨタなど海外進出企業の現地投下資本の調達にも安い金利で応援していた面もあるでしょう。
では、いいこと尽くめのように見えるから超低金利のままでよいのかが、次の問題です。



関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

 


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資