03/31/06

産業革命と基本的人権思想3

重商主義国家になってからは、商人の主張で、規制が厳しくなりすぎていた(絶対王制といわれる所以です)反動で、言論の自由などを主張する必要が生じたのがフランス革命です。
元々商人自身が法の規制を求めてくるだけでなく、今では消費者保護のためだけでもいくらでも法律が出来ることからも分るように、商取引に関してはがんじがらめの法制度になりやすいのです。
そこまで進んでいなかった、その他のドイツなど農業社会では、そもそも言論その他の規制がそれほど進んでいなかったのです。
農民や漁民、職人が多数を占める社会では言論を規制する必要もないし、規制したいと思っても農家や職人の仕事の仕方に対し、権力がどのように口出しして良いか分らないでしょう。
商人の場合、今でも、箸の上げ下ろしまで・・・、例えばデパートの開店閉店時間まで決めたり、契約の仕方、内容まで法で決めるのが普通ですが、農民や漁民職人に対しては、具体的に草むしりの仕方まで決めるわけには行きませんし、釣りの仕方まで決められません。
せいぜい「真面目に働け」と抽象的な指示しか出来ないでしょうから、言論の自由を制限する必要もなかったのです。
言論の規制の弱い社会では、言論の自由に対する要求も強く出ません。
そう言う田舎で、革命の必要性を演説しても、農民達はポカアンとしていただけでしょう。
商売人や我々弁護士・学者・政治家は、昔からいるのですが、産業革命までは誰も、そういう必要性を主張しなかったのです。
今日のコラム31日・・1に、「地位は低い方が気楽だ」と書きましたが、基本的人権の保障された今でも、政治家になると言いたいことはいえません。
いかにも、モンテスキューその他の思想家が革命に大きな役割を果たしたかのような書物が多いのですが、本当の革命家は産業資本家たちだったのです。
(学者は学者を持ち上げたいのでしょう。)
自力で努力する産業資本家がいない、或いは少ない社会では、いくら高度工業国になっても、立派な本が輸入されても革命は起きませんし、基本的人権の芯からの尊重が生れません。
このことは、03/09/06「商人と規制の親和性1 (左翼と極右の発達の土壌)」前後で紹介しましたように戦前の日本やドイツ、イタリアで証明されているのです。



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