03/26/06

商人と規制の親和性8(戒律・・・宗教の成立)

政権側からの権限放出によって、「自分でやれ」といわれると自衛のために、民の方で権利意識が醸成されて来たに過ぎないとすら言えるでしょう。
日本では農業化につれて、中央の権力は存在価値を無くし、暦を配るくらいしか仕事がなかったことを、
11/26/05「日本に科挙が導入されなかった理由2(地方分権社会2)」その他で書いてきました。
大和朝廷の権力が弱くなって、各地の秩序維持機能を果たせなくなっていたから、自衛のために武士が発達したのです。
こうしてみると弁護士制度と言うのは、昔の武士みたいなもので、政権にたて突いてくるのは困るけれども、民間が自分の費用でやってくれるならば、権力側では安上がりで、しかも結果に責任を持たなくて良いので便利な制度だといえるでしょう。
破産事件でも普通の民事でも、素人が全員直接裁判所に来られたら、裁判システムはパンクしてしまうでしょう。
刑事事件なども、刑事のほうは、「素直にしゃべれば直ぐ出られるから」と、どんどん自白させて、あとは「お前の弁護士に相談してみたら・・」と言うことが多いのです。
弁護士の意見で、「この事件では保釈無理だよ!」と言うと、刑事のほうは
「おまえの頼んだ弁護士の腕が悪いんだよ」
と言って逃げれば、いい仕組みです。
話を規制と商業活動に戻しますと、権力の都合で秩序維持のためにいろいろ規制をしてきましたが、その背景には守るべき経済活動があったのです。
証券取引法違反の取り締まりは、まさに証券取引秩序を守るためにあるのです。
これまで見てきたように、古代からの
     「汝、ひとのものを盗むなかれ」
と言う戒律(モーゼの10戒)は、交換経済がかなり進んでいた結果、当時既に交換秩序を支える重要なルールであったことが分かります。
仏教でも何のお経か忘れましたが、朝のお勤めに唱えるお経に
    「弟子向こう尽未来際」「帰依佛帰依法帰依僧」と言うのがあって、その次ころに
     「不殺生、不偸盗、不邪淫・・・・」
と言う戒律があります。
交換経済の発達に合わせて、ルール制定が必要になった社会で、はじめて戒律のある宗教が生まれたのです。
それまでは、呪術的な自然崇拝のたぐいでお供えと崇敬程度で足りたのですが、交換経済の発達が初めてルールを必要とするようになり、しかも異民族間の交換こそが古代社会の基礎でしたから、異民族にまで通用する宗教の発生になったのです。
交換経済の発達が、ルールを守らせる何かを必要とし、(当時は今のように法律制定の知恵も権力もなかったのです。)その需要の応えて生まれてきたのが、ユダヤ教・・宗教と言うものであったと言えるのです。
世界最古の法、ハムラビ法典がそのころに出来たのもは、偶然では有りません。
日本の神道などと違って、ユダヤとかイスラムなどの世界宗教は、戒律が必須・・「先ず戒律ありき」の関係です。



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