03/23/06
行政訴訟の重要性5(近年の動向2)
今回の改正では、上記提案が、ほぼそのまま採用されたのです。
平成16年6月、行政事件訴訟法は、42年ぶりに本格的な改正がなされ、これが平成17年4月1日から施行されました。
これまで、やるだけ無駄と思われて来た行政訴訟でしたが、この改正によって、原告適格の門戸がが少しばかり広がり、かなりの分野で司法審査に服すようになって、行政の緊張を要求するようになって来たのです。
少し具体的見て行きますと、原告適格が厳しく制限されている点は同じですが、2項で、具体的な状況の加味が加わったので、これまでのような形式的な原告適格なしの判決よりは、受け付けてもらえる幅が、広がりやすくなっただろうと言う希望的観測がされているのです。
ま、判例で徐々に広げられて来た実績の追認とも言えるものです。
この後の判例としては、昨年末に出された小田急電鉄事件住民訴訟で、原告になれる範囲が、かなり広く認められていますので、最高裁の傾向を読み取れるとも言われています。
新設された義務付け訴訟とは、 抗告訴訟の1類型として、行政庁が一定の処分をすべきことを命じることを求める訴えのことで、これが法定化されたのです。
ただし、まだ犬猫や放置車両の撤去請求まではできませんが、そのうちこうした具体的な要求も出来る時代が来るべきでしょう。
差止訴訟も新設されましたが、これは、新聞でも良く見かけるもので皆さんご存知のとおりですが、抗告訴訟の1類型として、行政庁が一定の処分又は裁決をすることを事前に差し止める訴えのことで、これが法定化されたのです。
これに加えて 確認訴訟も明示されました。
確認訴訟とは、行政処分その他公権力の行使でない行政庁の行為(行政立法・行政計画・行政指導など)の違法確認等を求める訴えをいいます。
これまでも行政行為の違法確認や不作為の違法確認など裁判上認められていましたが、法文上明記されて、積極的な活用がしやすくなったのです。
この改正には、これまでの判例の実績を追認しただけとか、「物足りない・・さらにこういう方向へ改正すべきだ」などいろいろな意見があります。
このコラムでは、さしあたり、国政や地方行政への住民参加の一態様として紹介しただけですが、少しづつでも国民の行政への直接関与の道が開かれていく傾向にあるのは、私の立場から言っても喜ばしいことです。
原告適格その他の具体的な問題については、別に機会があれば、行政訴訟のコラムで紹介しましょう。
関連ページリンク
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC
