03/21/06

交換経済と窃盗3(親族相盗と横領)刑法41

前回紹介した親族相盗例は、横領罪でも準用されています。
家族内では、人の物も、自分の物も、未分化である点は、横領の場合も同じだからです。
もう一度刑法に戻ります。

刑法
第二百五十二条 自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の懲役に処する。
2 自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した者も、前項と同様とする。
(業務上横領)
第二百五十三条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。
(遺失物等横領)
第二百五十四条 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(準用)
第二百五十五条 第二百四十四条の規定は、この章の罪について準用する。

上記の244条と言うのは窃盗で紹介した親族間の犯罪の特例です。
こうした例外が現在社会でも厳然として残っていることに驚くのですが、私が勉強した本では、警察権が家庭に介入しないと言う意味で学びました。
しかし、そのような根拠では、現在の家庭内暴力や、児童虐待に対する公的介入の根拠がなくなってしまいます。
しかも親族の意思次第で告訴できる規定もあるのですから、不介入の論理で説明するのは、無理があるでしょう。
家庭不介入・・・一種の治外法権と言うなら、被害者が告訴しても警察が介入できない筈です。
或いは、傷害や殺人でも同じ扱いにしなければおかしいのです。
財産犯に限って、同居の親族では告訴しても免除になってしまい、処罰できない理由は、財産所有形態がはっきりしないことにあるとしか考えられません。
同居していない親族の場合は、所有、占有関係について、自他の区別がかなり明瞭になっていますので、告訴次第にしただけのことでしょう。



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