03/21/06
交換経済と窃盗2(親族相盗1)刑法40
デザイン盗用と窃盗の違いを説明するつもりで、財物の移転ととそれ以外の利益移転の違いを説明するつもりで、話しが横へ行っていますが、この辺で一旦「もの盗り」の話に戻しましょう。
他人のものを盗ることが自由に許される、あるいは厳しい処罰のない社会では、生産や蓄積のための努力をしなくなるし、交換経済のルールを守る人がいなくなってしまいます。
逆に言えば、モーゼの10戒に「盗み禁止」があると言うことは、このころには、既に個人または家単位の私有財産があったことが明らかですが、それだけでなく、個人あるいは家単位にまで交換経済が発達していたことを、前提にするのでしょう。
集団としての財産確保とその争奪は戦闘行為として認識されていましたから、盗みと言う概念は、ある集団・集落内の個人ないし家単位の所有を前提とするものでしょう。
刑事処罰を必要とするまでに、交換経済が発展していない社会でも、集団内での物の移動はあったでしょうが、その程度の社会では、集団内の緩やかな流通と言うよりも、親族一族間の相互扶助として、家長や支配者による分配機能で廻って行く社会だったのでしょう。
この段階では、私有性が緩やかで、他人の物も自分のものも、集団内ではその区別をそれ程厳しく考えられていない社会ですから、窃盗を犯罪視・・・厳重処罰するほどの深刻さが有りません。
現在の家族内の物の移動を見れば分かりますが、兄弟親子間にも私有は有りますが、これは一応のものに過ぎず、その所有非所有の区別が緩いのです。
こうした長い歴史がありますので、現在でも、親子兄弟どころか親族間の窃盗でも、同居していれば、刑が免除され、処罰できません。
(次行に、書く同居していない親族のように告訴しても、処罰できないのです。)
同居していないときでも、親族が犯人の場合、その被害者からの訴え(告訴)がなければ、公訴提起できないのです。(非同居の場合は、告訴すれば処罰してくれます。)
刑法を見ましょう。
刑法
親族間の犯罪に関する特例
第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役に処する。
(不動産侵奪)
第235条の2 他人の不動産を侵奪した者は、10年以下の懲役に処する。第244条 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第235条の罪、第235条の2の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
2 前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
3 前2項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。
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