03/20/06
詐欺罪・不法の利益2と汚職・賄賂の違い1(刑法38)
詐欺罪の「不法の利益」と似た不明瞭な概念では、汚職罪の賄賂概念があります。
このコラムの読者に公務員の方がいるかもしれませんが、汚職罪の賄賂は、財「物」に限定されないどころか、財産上の利益にも限定されませんので、気をつけて下さい。
また刑法を見ましょう。
刑法
(収賄、受託収賄及び事前収賄)
第197条 公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役に処する。この場合において、請託を受けたときは、7年以下の懲役に処する。
《改正》平15法138
2 公務員になろうとする者が、その担当すべき職務に関し、請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、公務員となった場合において、5年以下の懲役に処する。
《改正》平15法138
(第3者供賄)
第197条の2 公務員が、その職務に関し、請託を受けて、第三者に賄賂を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役に処する。
《改正》平15法138
(加重収賄及び事後収賄)
第197条の3 公務員が前2条の罪を犯し、よって不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、1年以上の有期懲役に処する。
《改正》平15法138
2 公務員が、その職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれを供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたときも、前項と同様とする。
《改正》平15法138
3 公務員であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役に処する。
《改正》平15法138
(あっせん収賄)
第197条の4 公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役に処する。
(没収及び追徴)
第197条の5 犯人又は情を知った第三者が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
(贈賄)
第198条 第197条から第197条の4までに規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、3年以下の懲役又は250万円以下の罰金に処する。
ここで言う賄賂は、詐欺罪のように「財産上の」利益に厳密には限定されていません。
「賄賂の目的物は、有形であると無形であるとを問わず、卑しくも人の需要または欲望を満たすに足りる一切の利益を包含する」
と言うのが、明治43年大審院判例です。
こうして、女性(売春婦?)の接待を受けるなども、有罪になっています。
ま、自分のお金を払わなくともいいと言うところで、財産上の利益と接点がありますが、その代金を接待者が払ったのかどうか、接待者のコネで無料だったかの証明が要らないところに意味があるのでしょう。
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