03/19/06

商人と規制の親和性7(窃盗から詐欺罪へ)刑法36

昔の盗品の運搬を書いているうちに話が、横に行きました。
物資の運搬を中心とする窃盗の時代と違い、知財になると瞬く間に、世界中にすぐ行き渡るのですからある国だけとか一つの文化圏内だけの法律で規制し、世界的規制がないままでは、尻抜けになってしまいます。
剽窃とか盗用といわれ窃盗とは言わないのは、目に見える物の窃取ではないからです。
旧来の概念の窃盗では有りませんが、他人のアイデアや研究成果を盗用するのですから、泥棒類似の新犯罪として剽窃とか盗用とか表現するのです。
古代社会で、個人所有・蓄積が始れば、必然的に交換も始ったでしょうが、そうした交換によらないイレギュラー版としての財物の移転を禁止しないと交換経済が成り立ちません。
そこで、即物的な窃盗や強盗が重要な犯罪として、どこの古代宗教でも重要な戒律になっているのです。
古代宗教の生まれたところには交換経済が発達していて、その表裏の関係として=必須のものとしての戒律が生まれたともいえるでしょう。
財産の殆どが目に見える物であった時代には、規律としては、人身に対する犯罪(傷害や殺人など)の外は、財産犯を「もの盗り」と表現していただけの話です。
これが経済の発展につれて、交換によらずに不法に財物を移転するのを、横領とか詐欺とか分かれて来たのです。
この詐欺なども、経済の発展にしたがって、不法な利益を得るのが具体的な財物だけでなくなって来たので、刑法でも、2項詐欺と言うものが、規定されるようになっています。
刑法を紹介しましょう。

刑法
(詐欺)
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

このように、財物の種類が多様化し、不法利益を得る方法も複雑化してくると、旧来の刑罰だけでは、対応しきれなくなるのです。



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