03/17/06

地方の独自性とは?11(関税法 2)

関税法は、一般の方は、滅多に見ることはないでしょうから、この機会に紹介しておきましょう。
関税法は、日々の生活には関係がありませんが、ものすごく重要な法律で、一国の命運さえ左右してしまうものです。
中国があへん戦争以来の敗北続きで、関税自主権を失ってしまったのが半植民地化してしまった原因・・近代化に失敗した原因とすら言われています。
その結果自国産業の発達までの輸入制限(産業保護政策)などが出来なかったので、怒涛のように輸入品が入ってしまったことが、日本のように近代工業化がスムースに進まなかった原因でもあると言われています。
そこまで行ってしまった原因自体も中国の適応能力・・責任でしょうが、ここではそこまで論じません。
明治政府の第1の悲願は、欧米との不平等条約撤廃にあったことは、皆さんご存知のとおりですが、関税の自主権ほど重要なものはないのです。
今では、農業保護政策で、関税率が社会問題になっていますが、何時の時代も関税率をどうするかほど重要な政治は有りません。
自由貿易協定と言っても、結局は関税をどうするかの協定なのです。
EU(ヨーロッパ連合)は最初、EECから始り、ECになり最後にEUになったように、関税は経済統一の最大障壁であり、関税撤廃は統一の第一歩どころか完成型とも言えるでしょう。
事のついでに、ECからEUにいたる歴史を素描しておきましょう。
ECとは、European Economic Community の略で1958年1月6カ国により発足し、1959年1月より実施されました。
これの法的基礎をなすローマ条約の規定によると,
   (1)域内の諸国内の関税全廃と輸出入制限の撤廃
   (2)対外共通関税の設定と共通通商政策の樹立
   (3)農業・運輸競争制限などの共通政策の作成
   (4)労働力・資本移動・企業設立などの自由化
   (5)欧州投資銀行の設立を行うこと
とされていました。
これに基づき、1968年には関税同盟が漸く成立し、1969年には農業共同市場が整備され、1967年にヨーロッパ石炭鉄鋼共同体(ECSC)・ヨーロッパ原子力共同体(EURATOM)とともに三機関の執行機関が統合され,ヨーロッパ共同体(EC)として一体になったものです。
この動きは、私の中学から高校、大学への青春時代そのものですから、記憶が強いのですが、先ず関税同盟の成立こそが山場であったことが、この経過で分かるでしょう。
これに対抗するためにイギリスを中心にして、1960年5月、EECに加盟していない英国などが、欧州自由貿易連合(EFTA)を設立したのですが、 (これも結局は関税の話です)1973年1月1日に、英国、アイルランド、デンマークが、ECに加盟して一体化したことにより、EFTAはECに統合されてしまったのです。
 その後、ECへの加盟国が増加する一方、1993年11月 1日には欧州連合(EU)が創設され、更にヨーロッパの一体化を進めているのが現状で、皆さんも現在のことはご存知のとおりです。
私が言いたいのは、このように経済の一体化は、先ず域内の関税の撤廃及び対外的関税の統一に始ると言うことです。

関税法
(昭和二十九年四月二日法律第六十一号)
 関税法(明治三十二年法律第六十一号)の全部を改正する。
 第一節 通則
(趣旨)
第一条  この法律は、関税の確定、納付、徴収及び還付並びに貨物の輸出及び輸入についての税関手続の適正な処理を図るため必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第二条  この法律又はこの法律に基づく命令において、次の各号に掲げる用語は、当該各号に掲げる定義に従うものとする。
一  「輸入」とは、外国から本邦に到着した貨物(外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む。)又は輸出の許可を受けた貨物を本邦に(保税地域を経由するものについては、保税地域を経て本邦に)引き取ることをいう。
二  「輸出」とは、内国貨物を外国に向けて送り出すことをいう。
三  「外国貨物」とは、輸出の許可を受けた貨物及び外国から本邦に到着した貨物(外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む。)で輸入が許可される前のものをいう。
四  「内国貨物」とは、本邦にある貨物で外国貨物でないもの及び本邦の船舶により公海で採捕された水産物をいう。



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