03/14/06

地方の独自性とは?6(自治体の広域化4)憲法143

このように、政府の地方公共団体の広域化推進政策は、道州制を象徴として何のために広域化しようとしているかの問題点が分かります。
いろいろな政府施策について、地元の細かな意見を一々聞く必要がないばかりか(全関係者が賛成の場合でも手間ひまがかかります)上記のように、大方その施策に密接した地域では反対になり易いので、広域の意見を聞くほうが政府、立案者に有利なのです。
原子力施設でも、その近くの人は心配で反対するでしょうが、道州制になれば、地域の痛みを基準にするのではなく、国策として原子力が必要かどうかと言う一般論ばかりになってしまいそうです。
    「原子力発電は、どこかに必要だよなあ!」
となれば、設置予定箇所近くの反対論にその他の遠くの人は、賛同しませんので、すんなり通っていくのでしょう。
うがった見方をすれば、戦時有事法制の下準備といえないことも有りません。
緊急事態で、細かな多数の自治体の意見を聞いたり同意を取ったり、あるいは強制で出来るとしても、相手が細かすぎると能率が悪いのです。
しかし、能率ばかりを考えないのが、民主主義と言うものであり、多少能率が悪くとも基本的人権を尊重するのが、憲法の精神です。
憲法を見ましょう。

憲法
第95条 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。

憲法では特別法制定のときだけ、住民過半数の賛成が必要ですから、今回の岩国基地の場合は、法律を新しく作るのではないので、政府は関係ないと言う姿勢です。
国民の代表の国会でさえ、特定地域に負担を押し付ける法律を住民の意思を無視して法律を作れない憲法の精神からすれば、その下位にある行政が特定地域に負担を押し付ける場合は、住民の意思を無視してよいと言うのは背理です。
一定の地域だけに負担を押し付けるばあいには、この憲法の精神を大事にしてほしいものです。
政府は、先ずは法律制定しないで、行政行為として、沖縄その他の基地の場所を決めていき、憲法違反を回避してきました。
さらにそれでも足りずに、今度は憲法では、住民の範囲を「地方公共団体」としているところに目を付けて、広域化してしまえばいいと言う発想で進めているのです。
ここで言う住民とは、合併に合併を繰り返して巨大になってしまった場合は、行政区画を規準とすべきではなく、実質の被害を受ける「その地域住民」とすべきでしょう。
この意味でも、政府の脱法行為により、憲法改正の必要が出て来たといえるでしょう。



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