03/09/06

商人規制親和性2(左翼極右発達土壌2)

国際競争に勝ち抜くための、産業資本家発の人権要求であれば、創意工夫のための言論の自由などの基本的人権の要求から始まるのです。
これが、フランス革命でした。
ところが、後発資本主義国では、前回コラムで書いたように産業資本家は、創意工夫よりも先進国の技術輸入に忙しく、無駄な考えをせずに黙って先進国の技術を分解して研究してくれる研究者で充分なのです。
自前の研究意欲が乏しいので、創意工夫に適したうるさい権利の発展は、むしろ好まれません。
後進資本主義国では、労働者発の人権思想しか発達しないのですが、彼らベルトコンベヤー式労働者にとっては、職柄創意工夫にはあまり関心がないのです。
彼らは思想信条の自由よりも、所得の分配に関する要求・・・イキオイ社会主義的主張ばかりが先鋭化してくる社会となるのでしょう。
(戦前のドイツや日本・イタリヤ、ロシアなど後発資本主義国では、社会主義が発達した理由です。)
その意味ではマルクスの言うように、資本主義の次には社会主義ないし共産主義社会が来ると言う段階的発展論は、後進資本主義国には当たっていたのです。
驚くかもしれませんが、ナチスの正式名称は、国家社会主義ドイツ労働者党ですし、スペイン内戦その他右翼の発達する所には、その前提としての左翼の隆盛があるのです。
重商主義と産業資本家の折衷的性格を持たざるを得なかった明治政権が、どこまでも商業資本家的発想で運営したのが、敗戦までの政権でした。
商業資本家は、政商とまで行かない普通の商人でも、ブランド品の独占的販売権契約にこだわリ、並行輸入業者に対して敵意をもったりすることから分るように、或いは大型店の進出に反対したり、既成市街地の再編成に反対したりして、規制や権力との結びつきに親和性が強いのです。
或いは商取引では、ルールが絶対に必要ですが、取引相手と違うルールでは商売が混乱しますし、混乱・・もめごとのもとです。
今でも証券取引や先物取引、デリバテイブその他最先端取引では、ルールの天国みたいにルールだらけで、我々弁護士でも全部知っている人が殆どいないでしょう。
そうは言っても、大阪と東京では証券取り引きのルールが違うのでは困るので、ルールの統一化は必須です。
こうして商人は、生来、規制と切っても切れない関係にある職業であることが分かるでしょう。
このルールの必要性が国際取引にも及んできた結果、戦前では商行為に必須の手形、小切手法が先ず国際条約で統一が決まったことは、象徴的です。



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