03/27/05
夫婦別姓10(別姓論の思考方法)憲法105と民法131・戸籍法1
今でも、夫婦別姓反対論者の根拠に、別氏は江戸時代までの時代遅れの制度であったが、明治になって西洋の夫婦同姓にあやかってやっと近代化したのに、今更「別姓に戻すのは時代錯誤だ」と言う流れで主張する人がいます。
わが国では、時代遅れかどうか西洋の基準でどうかは、今でも重要な基準になりやすいのです。
最近の別姓論者も、その多くは西洋・イギリスでも夫婦の氏併記社会になりつつあるから、これに触発された人が多いのです。
他所の国ががどうかではなく、夫婦の氏を別表記するのと統一表記のどちらの方が現在の日本の社会組織として合理的であるか否かを先ず検討すべきでしょう。
もしも、甲乙つけ難いならば、憲法で定めた「両性の本質的平等」の理念に照らして決着すべきですし、憲法原理に反する説の方は少しばかり利点がまさっているだけでは、憲法原理を否定するのは許されないでしょう。
考える順序としては、夫婦の氏統一制度と別姓ではどちらが憲法原理に反するのか、あるいは親和性があるのかを議論して、その次に、憲法原理に反してまでどちらかの制度を維持または新設する必要があるのかの議論をするべきでしょう。
「両性の本質的平等」については、03/22/05「家庭は国家の基礎2(憲法104・民法130)「両性の本質的平等」のコラムで少し触れました。
ところで、誤解している方が多いように思いますので、念のため付言しておきますと、両性の本質的平等と氏の統一制は、法原理としては直ちに相反する原理ではありません。
戦後の民法や戸籍法では、憲法にモロに反しないように婚姻届に際して、男性の氏に決めなくとも夫婦でどちらにするかを選択する仕組みに変えたからです。
現在問題になっているのは、形式的制度の問題でなく実際的機能として平等に運用できているかの問題です。
実際は殆どの場合、男性の氏を選択するようですから、実際的・結果的平等は実現できていないのです。
これを何とかしたいと言うのが、別姓論の本旨です。
アメリカでの黒人その他のマイノリテイの人権その他の問題は、形式的平等にチャンスがあるか否かの問題でなく、実際的に結果がどうなっているかが議論の対象です。
民法と戸籍法を見ておきましょう。
民法
第750条 夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。
第751条 夫婦の一方が死亡したときは、生存配偶者は、婚姻前の氏に復することができる。戸籍法
昭和22・12・22・法律224号
第16条 婚姻の届出があつたときは、夫婦について新戸籍を編製する。但し、夫婦が、夫の氏を称する場合に夫、妻の氏を称する場合に妻が戸籍の筆頭に記載した者であるときは、この限りでない。
2 前項但書の場合には、夫の氏を称する妻は、夫の戸籍に入り、妻の氏を称する夫は、妻の戸籍に入る。
第74条 婚姻をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
1.夫婦が称する氏
2.その他法務省令で定める事項
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