03/23/05

夫婦別姓2「同姓娶らず」

現在の夫婦別姓問題は、こうした事実上のダブル表示にとどめずに、法律上の戸籍でも別の氏を表示出来るようにしようというもので、本質的な違い、一種のルビコンを渡るようなところがあります。
戸籍制度の根幹から問題がありそうですので、少し検討しておきましょう。
戦後の氏の機能は、家名をあらわすものではなく、個体・家族識別機能に変わったのですが、便宜上、(とは言うものの政治的妥協の結果でしょう。)旧来の家制度の延長である夫婦統一の「氏制度」を残したに過ぎないのです。
家制度を廃止した以上は、法制度の体系としても夫婦がひとつの「氏」でなければならないと言う必然性はありません。
むしろ戦後改革の積み残しとすら、言えるものです。
但し、いつも気をつけなければならないことですが、こういう問題は、たんに政治思想の転換の有無という皮相な見方だけでなく、長い民族の歴史を無視することが出来ません。
01/07/04 「幕府の婚姻禁止の範囲(同姓娶らず)1」以下十数回以上の連載で、わが国の氏制度や朝鮮の創氏改名等で少し書きましたが、朝鮮や中国では、同姓娶らず・・血統主義で一貫していました。
結果として、夫婦別姓にしなければ意味がないでしょう。
しかし、わが国では「同姓娶らず」のルールが定着していなかった事実を、上記コラムで紹介していますが、今回の別姓問題に関してどう見るべきでしょうか?
これは「逆は必ずしも真ならず」の格言のとおりで、
   「同姓娶らずのルールを一貫すれば常に夫婦別姓になる」
と言うことから、
「同姓を娶っても良い」社会では「常に同姓になるとは限らない」
と言うことです。
皆さんが周りを見回してもすぐ分ることですが、同姓同士が偶然結婚している例を思い出す方が難しいのです。
ですから、わが国が「同姓を娶っても良い」社会であったからと言って、夫婦同氏・同姓であったことにはならないのです。
実際にどうであったか?という検証が必要でしょう。



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