03/18/05
借地借家法6(定期借地権2)価格のごまかし政策
定期借地権等と言うのは、定期借地権と事業用借地権の2種類があるからです。
定期借地権は50年以上の長期ですし、事業用借地権は、10年以上20年以下と言うまさに事業用地の借地権です。
我々弁護士が(私だけかな?)日常関係するのはこの事業用借地権で、50年以上の定期借地は滅多にありません。
どうしてかと言うと、個人地主の場合、50年以上も先のことは予測不可能ですから、勢い、20年以下になりやすいのと、事業家のほうも、50年先の景気や世の中の見通しが出来ません。
契約当事者も、おおむね40〜50代が中心ですから、50年先には死んでしまうよと言うわけです。
現在計画中の一つの事業用地としては20年で充分と言うわけです。
50年以上の定期借地が利用されているのは、マンション用地を定期借地で手当てするくらいでしょうか?
ところで、土地が値上がりす過ぎて購入者がいなくなったら、買える価格まで値下げするのが経済の常道ですが、バブル崩壊期でしたから、政府は土地価格の値下がりを嫌ってこの法律を作ったように思われます。
借地権でマンションを建てられるようにすれば、更地価格の何割りの用地費で済むので、「高騰した価格を売れるところまで値下げしなくても良かろう」と言うセコイ発想で成立した法律です。
バブル崩壊後、あちこちでこうした発想の誤魔化し手法が取られました。
高額絵画を値下げせずに、同じ作家がリトグラフで数百万円の値をつけて売っているようなものですし、マンションなども、例えば、5000万円の物件を値下げする代わりに、金利を下げてそれまで4000万円の月額ローンと同じ月額ローンで5000万円の物件が買えるようする、或いは千葉市等でもやっていますが、土地が上がりすぎて、家賃も高額になりすぎて借り手がなくなったのを救済するために、家賃補助制度を設けるのも、家賃ひいては土地価格の値下げ防止政策と言えます。
放っておいて借り手がつくまで、家賃を値下げさせればいいのに、アパートを借りられない人を救済すると称して、(言うことは、立派です)アパート家賃の高止まりを画策しているのです。
金利下げも同じ考えで、結果的に預金者に損害を強制しているのですが、不景気でマンション等が売れなければ売れる値段まで下げるのが筋であって、金利下げで、買いやすくして誤魔化すべきではありません。
ごまかしをしていたからバブル後の景気回復が長引いたのです。
この辺で条文を紹介しておきましょう
借地借家法
第4節 定期借地権等
(定期借地権)
第22条 存続期間を50年以上として借地権を設定する場合においては、第9条及び第16条の規定にかかわらず、契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含む。)及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第13条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。
この場合においては、その特約は、公正証書による等書面によってしなければならない。
(建物譲渡特約付借地権)
第23条 借地権を設定する場合においては、第9条の規定にかかわらず、借地権を消滅させるため、その設定後30年以上を経過した日に借地権の目的である土地の上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めることができる。
2 前項の特約により借地権が消滅した場合において、その借地権者又は建物の賃借人でその消滅後建物の使用を継続しているものが請求をしたときは、請求の時にその建物につきその借地権者又は建物の賃借人と借地権設定者との間で期間の定めのない賃貸借(借地権者が請求をした場合において、借地権の残存期間があるときは、その残存期間を存続期間とする賃貸借)がされたものとみなす。この場合において、建物の借賃は、当事者の請求により、裁判所が定める。
3 第1項の特約がある場合において、借地権者又は建物の賃借人と借地権設定者との間でその建物につき第38条第1項の規定による賃貸借契約をしたときは、前項の規定にかかわらず、その定めに従う。
《追加》平11法153
(事業用借地権)
第24条 第3条から第8条まで、第13条及び第18条の規定は、専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を10年以上20年以下として借地権を設定する場合には、適用しない。
2 前項に規定する借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければならない。
(一時使用目的の借地権)
第25条 第3条から第8条まで、第13条、第17条、第18条及び第22条から前条までの規定は、臨時設備の設置その他一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合には、適用しない。
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