03/18/05

借地借家法5(いろんな制度を緩やかに7)定期借地権等1

サラリーマンが利用する定期建物契約は、鳴り物入りで創設されましたが、これまで書いて来たようにどちらかと言えば使い勝手が悪いし、それほど利用できるものではありません。
定期建物契約は、宣伝する割には、社会的経済的影響力もそれほどではなく、どちらかと言えばサービス程度(刺身のツマ)の意義しかないのですが、定期性借地権の創設の方は、社会経済に与えた影響が大きかったように思います。(一種の規制緩和です)
それまでは、貸したい地主と借りたい事業家がいるのに、借地法が強力すぎてままならず、結果的に脱法的な契約が横行していたのです。
借地人が建設資金全額又はその何分の1を保証金として地主に預けて、地主がその保証金および自己の銀行ローンで自己名義で借家人の意向のとおりの建物を立てて、(西友・ダイエーなどの大手スーパーなど)その建物賃貸借と言う実態に合わない形式を利用するのが普通でした。
これでは、契約終了時に保証金返還義務がありますが、地主としては建築資金に使ってしまって残っていませんから、返しようがありません。
そこで、償却と言う手法がとられましたが、例えば20年で20分の1づつ償却する場合は、結果的に保証金は1銭も返さなくともいい訳ですから、契約時に一時所得があったと見なされるのが税法上の扱いでした。
これでは、例えば保証金が10億円とすれば、この年に10億円の所得発生となって預かったお金の大半が所得税で消えてしまいます。
そこで、またいろいろな手法が駆使されるわけですが、こうした実態に合わないことの積み重ねではどこかに法的な無理が生じてきて、いざ、紛争になるとややこしくなるばかりでした。
例えばイザ、明渡し訴訟になると借家人は、実質自分は借地人であって借家人ではない、この家は自分のものだという争いが主たるものです。
それに経済実質から見ると、地主は商売の機微は分らないのですが、自分の名義で家を建てるために借家人が、いくら20年間責任を持って借りますといってくれても、その企業が途中で倒産したらどうにもなりません。
自己名義で借りたローン残の支払いがのしかかって来て、(建築資金全額を保証金として積んでくれる豊かな企業は少ないのです。)地主まで倒産してしまうのですから、大変なことです。
大手なら大丈夫だろうと言う人が多かったのですが、最近は大手の倒産もありますので、地主は心配で仕方ないのです。
定期性借地権の創設で、こうしたややこしい便法に頼る必要がなくなったのですから、契約関係がかなり透明化されたのです。



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