03/16/05
いろんな制度を緩やかに5・・・借家法1(更新2)
借家法も同じく、正当事由がない限り期間満了により明渡請求が出来ない仕組みでした。
煩雑ですが念のため借家法も紹介しておきましょう。
これも平成3年に廃止されていますが、借地借家法に遡及効がないので、廃止前の契約は、この借家法の適用を受けるのです。
大正10・4・8・法律 50号
改正 昭和41 ・法律 93号
廃止 平成3 ・法律 90号
(平成4年8月1日)
第1条 建物ノ賃貸借ハ其ノ登記ナキモ建物ノ引渡アリタルトキハ爾後其建物ニ付物権ヲ取得シタル者ニ対シ其ノ効力ヲ生ス
2 民法第566条第1項及第3項ノ規定ハ登記セサル賃貸借ノ目的タル建物カ売買ノ目的物ナル場合ニ之ヲ準用ス
3 民法第533条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第1条ノ2 建物ノ賃貸人ハ自ラ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ非サレハ賃貸借ノ更新ヲ拒ミ又ハ解約ノ申入ヲ為スコトヲ得ス
第2条 当事者カ賃貸借ノ期間ヲ定メタル場合ニ於テ当事者カ期間満了前6月乃至1年内ニ相手方ニ対シ更新拒絶ノ通知又ハ条件ヲ変更スルニ非サレハ更新セサル旨ノ通知ヲ為ササルトキハ期間満了ノ際前賃貸借ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ賃貸借ヲ為シタルモノト看做ス
2 前項ノ通知ヲ為シタル場合ト雖モ期間満了ノ後賃借人カ建物ノ使用又ハ収益ヲ継続スル場合ニ於テ賃貸人カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキ亦前項ニ同シ
第3条 賃貸人ノ解約申入ハ6月前ニ之ヲ為スコトヲ要ス
2 前条第2項ノ規定ハ賃貸借カ解約申入ニ因リテ終了シタル場合ニ之ヲ準用ス
以上のとおり、借地法同様に正当事由がないと、期間満了したからというだけでは、大家さんは明渡しを求められません。
今ではアパートその他、大家さんが自分で使う必要などあるべくも有りませんから、正当事由は100%近く認められない実情と言ってもいいでしょう。
たまに認められている事例では、犬猫で汚いとか、どちらかといえば契約違反すれすれの場合に、正当事由と抱き合わせで使う程度です。
例えば蕎麦屋さんや魚屋さんが店舗を借りる場合、契約書上では2年契約ですが、実際はいつまでも使ってくださいと言う口約束で始るのが殆どと言うよりも100%といってもいいでしょう。
何の職業であれ、余程の例外(例えばサーカス)以外は、商売をはじめて2年や3年で撤退する予定で始める人はいないのです。
誰でも成功を夢見て独立し、又は出店するのですから、この2年契約と言うのは借家人の本来の希望を踏みにじった貸主の横暴以外の何ものでもないのです。
それでは借り手がないので、貸主は口頭では「いつまでもいてくれていいですよ」と言って貸しておきながら、何か気に入らないことがあると、契約違反もないのに、文書上の2年契約を盾に追い出そうとするために機能しているに過ぎないのですから、言うならば本当の契約違反をしているのは大家の方なのです。
こうした実情から、私は、正当事由を厳格に解釈する従来の裁判例は正しいと思っていますが、本当に一定期間だけ借りたいという借主もいるでしょうから、ここでは多様な借地借家権があってよいのではないかと言う意味で紹介しているのです。
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