03/12/05

風俗産業の盛衰4(最古の職業か?3)性欲の貯蓄は?

ところが、明治政府は武士の道徳を庶民にまで押し付けたものの、女性にだけ自由な性愛関係を禁圧し、(良妻賢母)男性には禁止しなかったのです。(無理だと思ったのでしょう。)
この点は、02/08/05「貞淑観念の発達の歴史1と風俗産業の盛衰」のコラムで、女性だけが処罰される刑法の姦通罪の規定を紹介しました。
女性にだけ貞操の締め付けを厳しくして、道徳教育にとどまらず刑法で処罰することにしたので、女性の奔放な性は影をひそめてしまったのです。
これに反発したのが、02/27/05 「ストーカー 1(文学に見る主役1)」のコラムで紹介した神近市子、平塚ライチョウらの、エロス+虐殺事件の本旨でしょうし、後年平塚雷鳥をして、「元始女性は太陽であった」と言わしめた思想的大元でしょう。
「元始」などと大袈裟に言うので、私はずっと昔のことかと思っていましたが、ライチョウから見れば、実はホンの何十年か前の明治維新までだったのです。
「贅沢するな」と言っても、購買能力(お金)がある社会で贅沢な商品を並べていたのでは、購買意欲がなくなりません。
お金を取り上げれば、禁止しなくともぜいたく品を買えなくなるのですが、セックスに関しては男子の性欲を取り上げるわけには行きません。
日本男児のエネルギーを弱めるために、ポルノを蔓延させる一方で生殖能力低下を図るのは、日本の恒久的弱体化を図る占領軍の深謀遠慮だったかもしれませんが、その成果が現れて本格的に生殖能力低下時代が到来していることは、3月11日・・・2のコラムで書きました。
しかし、国民全部に武家の道徳を強制し、富国強兵政策を始めたばかりの明治政府は、いきなり男子をもやしっ子ばかりにする方向へ舵を切るわけにはいきません。
明治政府は、男性には自由なセックスを容認しなければ、社会が持たないと思ったのでしょうが、贅沢商品を売らない・作らなければ、金持ちが買いたくとも買えない道理と同様に、受け入れ側の女性だけが、セックスに応じなくすれば、自然に貞淑・クリーンな社会になると思ったのでしょうか?
そうは言っても、精力をもてあます男子(これは精力絶倫で、一人で何人も関係したい特殊な場合だけでなく、いろいろな事情でミスマッチして結婚できない男も発生するでしょう)の処理を放置すると、治安問題になってきます。
そうなると、単身者または単身赴任者の多かった江戸や大阪などの大都会だけではなく、国中で男女のバランスがあわなくなってしまいます。
お金だけばら撒いて、商品を隠してしまったようなものです。
お金は貯蓄させたり、税金で取り上げたり誘導の方法がありますが、性欲を税金で取り上げるわけにも行かず、貯めておけとはいえませんし、(貯めておけば、「老後に取り出して使えるよ!」という医学新理論が発表されれば楽しいですね。)祭りやスポーツで発散させるにも限度があります。
この種の問題は、昔からバランス処理を誤ると、社会不安の種になるのです。
この結果、明治以降性産業が全国的に必要になってしまい、全国的に定着したに過ぎないと私は考えています。
これを誤って、古来からどこにでもあるかのように誤解している人が多いのですが、戦乱その他特定の場合に、特定の場所でだけ発達し、存続したに過ぎないのです。
以前、02/09/04「江戸時代の相続制度 9(明治民法の時代錯誤性)」のコラムで、鎖国制度について、家光が始めたに過ぎないのに、古来の祖法と幕末では思い込んでいたことを書きました。
米食の歴史もそのうち書きますが、わが国ではホンのちょっと行事などが続くと古来からの神聖な習慣のように思いこむ傾向があるようです。



関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

稲垣法律事務所コラム内:結婚、婚姻に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:恋愛に関するコラム

 


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC

 


ブログ
株式投資