03/12/05
風俗産業の盛衰3(最古の職業か?2)
ところで、02/10/05「風俗産業の盛衰2(最古の職業か?)」のコラムから、江戸っ子の話になって横へ行ってしまいましたが、その残りをここで書いておきましょう。
売春業は最古の職業であるなどと、見てきたように〔嘘を)書く本が多いのですが、私は誤りだと思います。
そうした意見は、明治以降ホンの100年ばかり貞操観念をうるさく言うようになったに過ぎない僅かな期間の思想の歴史を、人類古来の最初からそうであったかのごとく思い違いしての立論でしかないと言うものです。
縄文土器やその他の石器類を見ても、最古の職業はそうした分野の専門職がその名誉ある地位をしめる筈です。
2月10日のコラムで書きましたが、私の意見では、人類最初どころか江戸時代末までの庶民には、自由奔放な性関係があったので、当然売春婦は不要だったことは江戸や京大阪などの大都会以外には遊郭が発達しなかったことからも明らかです。
売春婦の発達は、偶発的事情で男女人口比が崩れたときに、臨時的職業として発生したに過ぎないと思います。(戦争や江戸開府のときなど)
その後江戸期を通じて江戸や大阪では、独身男性ばかり(または地方の大名の家臣は単身赴任者)が町に出て独身のまま死んでいく社会が続きましたから、その需要から、遊女や売春婦が恒常的に必要になっていたに過ぎません。
明治以降、男子は製鉄所や機関車の機関士に始って線路工夫(こうふ)にいたるまで、いくらでも労働力需要が有りましたので、田舎から出て来た若者が独身のまま(でもいいのですが、)20歳前後で死亡するのが期待される社会ではなくなりました。
逆に、江戸にいたもともとの都会人であった武士の息子(これが本来の江戸っ子です)は、労働者や兵士としては役に立たなかったのです。
都会人のひ弱さについては、12/27/04「兵農分離3(外様・戦国大名の場合)兼業農家の歴史1」前後の連載や、会津藩の青森移住などで触れました。
田舎の女子も、性産業だけでなく繊維工場などの女工さんとして働く道が生まれ、同時に都会に出た男子の殆どが結婚出来る社会になったので、その結果として殆どの男女が結婚する社会が到来したのです。
そうなると、男女ともに均衡が取れるようになったのですから、社会構造的な売春産業の存在価値がなくなっていた筈です。
性関係を不自由にしても、みんなが結婚できる社会では、男女ともに貞操を守れば、性産業が構造的に不要になる筈でした。
精力絶倫者とか、偶発的事情で結婚出来ない者とかの例外的存在者は、いつの世にもいますが、その程度のミスマッチに対応する程度の必要しかないという意味です。
他方で、ある程度の性的奔放性(和姦や2号さんや妾など)を許容すれば、そうしたミスマッチは解消できるはずです。
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