03/08/05

離婚の自由な社会6(女性が浮気した場合2・・・親権はどうなる?)民法128

女性が浮気してバレタおおかたの場合、「自分が悪いのだから何も要らない、子供も要らない」といって家を飛び出すのが多いのです。
バブルのころにそうした事件を担当したことがありましたが、女性も時間がたって落ち着いてくると、パート程度しか仕事がなくて、アパートでの生活も苦しくなってきますし、子供のことも気になってきます。
そこで弁護士が入って話し合いになるのですが、バブル期でしたので千葉の一寸した家一軒でも7〜8千万円していましたし、そのころの離婚慰藉料は数百万円でしたから、女性側に慰藉料支払い義務があるとしても、自宅の財産分与請求権行使の結果、家の2分の1の権利を貰うと、逆に女性の取り分が多い関係です。
それに浮気したからといって、男女どちらが子育てに良いかについては、また別個の吟味が必要です。
これまで書いて来たように、明治以降女性の貞淑のみ強調して来た道徳からすると、女性の浮気など天地がひっくり返るような悪道徳ですから、子供も取り上げられて当然と言う結論になり、女性もそう思い込んでいるらしいです。
しかし、その偏頗な道徳が問題であることは、これまで書いてきましたし、仮にそういう道徳が正しいとしても、子育てに誰がふさわしいかは別問題である筈です。
親権の問題は、親「権」と書きますので、権利の問題と誤解している人が多いと思います。
親権者の決定は、「子供のために誰が育てるのがいいかを決める」のであって、親の権利を決める手続きではないのです。
民法の書き方が間違っているので、誤解する人が多いのだと思いますが、姦通罪に連動する懲罰思想の残滓を認めるとしても、また、いかなる犯罪者であろうとも懲罰として子供を取り上げると言う発想は、子供の人権から見て許されません。
その犯罪であろうがなかろうが、子育てに適任かどうかだけが基準なのです。
そういうと、いや、懲罰としてではなく「浮気するような不道徳な女性に子供を任せられない」と言う論法ですが、浮気が子供の教育にどういう悪影響があるかは、別個の問題でしょう。
夫婦仲が悪いまま子育てしている場合と、あっさり離婚して別の男性と再婚してその子を連れ子として育てる場合とどちらが子育てに良いかという問題でもあるでしょう。
或いは、連れ子をする場合と、離婚後の男性が子育てを出来るかの問題も比較されるべきでしょう。
この事件は、男性が相談に来た事件でしたが、それやこれやを説明して、男性に相応のことをしてやった方が良いと説明して円満に終わったことがあります。
自分が悪いことをしたと言うことから、何もかも捨てねばならない・或いは何でも相手の言うとおりしなければならないと考える方が多いのですが、罪刑法定主義の原理と同じで、悪い限度で責任を取ればいいのであって、それ以上の責任までとる必要はありません。
これに限らず、民事刑事一般について言えることですが、自分の方に責任のある場合でも、どこまで責任を取らねばならないかは、別問題ですから、冷静に弁護士に相談した方がよいでしょう。



関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

> 稲垣法律事務所コラム内:民法に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:結婚、婚姻に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:離婚に関するコラム

コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資