03/07/05

離婚の自由な社会4(有責主義から破綻主義へ1)民法126

民法制定の経緯については、06/04/03「婚姻制度 (明治時代の婚姻制度3)13(民法典論争2)」前後のコラムで紹介しました。

現行民法を紹介しましょう。
民法
第1款 協議上の離婚
 
第763条 夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。

明治以降、欧米のモラル取り込み(法の継受ということはモラルの継受でもあるのです。)を図り、近代国家として認めてもらうのに必死の政府でしたが、いくらなんでも協議離婚の禁止までは出来なかったのが分るでしょう。
明治民法〔すなわち現行法)では、ローマ法を継受したものの、協議離婚制度だけはわが国の習俗として取り込まざるを得なかった事が、この条文でわかります。
この一事をもってしても、江戸時代には「離婚の自由がなかった」どころか逆に自由であったのを政府も無視できなかったのであって、「離婚の自由がなかった」と言うのは、まったくのデマ・または誤解と分るでしょう。
次に裁判離婚も見ておきましょう。

民法第2款 裁判上の離婚
 
第770条 夫婦の一方は、左の場合に限り、離婚の訴を提起することができる。
1.配偶者に不貞な行為があつたとき。
2.配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3.配偶者の生死が3年以上明かでないとき。
4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込がないとき。
5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2 裁判所は、前項第1号乃至第4号の事由があるときでも、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

ローマ法系の欧米では、前回のコラムで書いたように、もともと離婚そのものを認めないのが基本思想でしたから、離婚を認めるとしても、離婚できる場合を限定したい歴史経過があるのです。
わが国も、明治維新でローマ法系の法制度を受け入れるようになった以上は、体裁だけ見ると同じく限定的になっています。
すなわち、第770条の第1項本文は
    「左の場合に限り、離婚の訴を提起することができる」
と限定的列挙ですが、その第5号では
    「その他・・・重大な事由があるとき」
には離婚請求できるのです。
この条文があるので、わが国の離婚法制は、破綻主義と有責主義との折衷法であると習ったように思いますが、その後の進展で、現在では最高裁判例で限定的な破綻主義が採用されています。



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