03/03/05
ストーカー法・迷惑防止条例と警察権乱用の危険
この法律(ストーカー法)の最後の条文を紹介しましょう。
第16条(乱用禁止)
この法律の運用にあたっては国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない。」
第2条の目的や括弧書きによる絞りだけでは、警察の濫用的運用を絞りきれないリスクがあることを、この条文の存在によって、立法者自身が認めているのが明らかでしょう。
精神規定のオンパレードですが、精神規定ばかりを重ねざるを得ないところに、この法の危険性が浮き彫りになっているのです。
精神規定をいくら重ねても、これを運用する警察の信頼性、チェックすべき検察や裁判所のチェック能力の形骸化こそが問題でしょう。
チェック機能が形骸化している問題点は、平成15年8月12日「罪刑法定主義」と8月16日の「令状主義の限界」のコラム以下等で繰り返し書いてきました。
検察官が、警察が逮捕して、「10日間の勾留請求が妥当」と言う意見で送致されたものを、逮捕権の濫用であると釈放した事例は寡聞にして聞きませんし、それよりも誰も守れないような法律を一杯作って、気に入らない者だけを逮捕拘留する運用ですと、どこのチェックも働かないのです。
何しろ「○○法に違反している」ことは間違いがないのですから、誰の行為でも引っかかるような法律ばかり作って、あとは、警察の匙加減と言うのでは、国民は不安で仕方がないでしょう。
矢張り刑事処罰は、真に必要なものに絞って、その代わりきっちり「処罰すべきは処罰する」公正な厳正執行こそが、社会の安全というものです。
今の警察のように真に処罰すべき行為を大目に見て、処罰しないでいて社会の非難をあびると、本来は犯罪でない周辺まで処罰範囲を広げて、警察の自由裁量範囲を広げるやり方は、危険極まりないことです。
昨日のコラムで例示したように、今の警察の検挙基準は告訴人がうるさすぎるか(前記で紹介した一級建築士の事件の場合、女性は少し精神的におかしい傾向があったのは、示談した相手の弁護士も認めているところです。)ヤクザ者などの場合はすぐ動きますが、一般人の場合、何かと難癖つけて動かないのです。
普通の人の訴えこそ、真面目に聞いて欲しいものではありませんか?
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